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実は夏に多い虫垂炎 右下腹に痛み、再発リスク意識

2021/7/13

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写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

一般に盲腸とも呼ばれる虫垂炎は幅広い年代がかかる病気だ。かつては手術が中心だったが、最近は薬による治療を選ぶケースが増えている。独特の痛みの出方があり、疑いがあれば早めに医師に相談したい。

腹部の違和感が痛みに変わり、徐々に強くなって右下腹部に移ってきた。吐き気もあって耐えられない。虫垂炎の典型的な症状だ。

虫垂は大腸の一部、盲腸から細長く突き出た部分。虫垂炎の原因は完全に解明されているわけではないが、腸の内容物の固まったものなどで虫垂が塞がれ、血流が悪くなったり、細菌が繁殖したりして起こる場合が多いようだ。

外科医の間では経験的に「梅雨明けの暑い日に患者が増える」と言われてきた。岩手県立中央病院(盛岡市)の研究グループは手術治療した450例の気温、気圧との関係などを調べた結果を2018年に発表。宮田剛院長は「患者数は冬(11~12月)に比べて夏(7~9月)の方が明らかに多かった。気圧より気温の変化と関連していることも分かった」と解説する。

夏に多い虫垂炎。対処法としては虫垂を切除してしまう手術治療、抗生物質などを使って炎症を抑える保存的治療がある。かつて日本では手術治療が中心だった。ただ超音波検査やコンピューター断層撮影装置(CT)の普及で虫垂の状態を正確に診断できるようになり、保存的治療が広がってきたという。

天使病院(札幌市)の大場豪外科科長は「虫垂炎は炎症が粘膜にとどまっている状態(カタル性)から、虫垂の壁にまで広がった状態(蜂窩織(ほうかしき)炎性(えんせい))へと進む。さらに壁が壊死(えし)して腹膜炎を起こすこともある」と説明する。腹膜炎を起こすほどだと緊急手術が必要だが、軽症から中等症の初期であれば、薬での治療を目指せるという。

だからこそ保存的治療には早期診断が重要になる。虫垂炎の初期は痛みが内臓神経によって上方向に伝わり、みぞおちの痛みとして始まる。4~6時間後には強い食欲不振や吐き気などを感じるようになる。やがて痛みはへそと右の腰骨を結ぶ線上の腰骨側から3分の1ほどのポイントへと移る。虫垂炎は他の腹痛と異なり、このポイントを指で押したり、右足で軽くジャンプしたりすると強く痛む。

症状は患者により違い、様子を見ていて腹膜炎を起こしかけた例も。経験のある医師なら触診などで診断がつく。

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