オートミールをコメのように頻繁に食べる人が増えていると聞いた。日本人に合った味付けなどコツがあるに違いない。記者(33)もオートミール生活を送って、人気の理由を探ってみた。
オートミールは燕麦(えんばく)の加工品を指す。日本にオートミールが伝わったのは明治時代。オートミールのかゆ、いわゆるポリッジは英米では朝食の代表格だ。ただ、コメ文化が根強い日本では、海外経験者など一部の層を除けば、あまり広まっていなかった。
ところがここ数年、オートミールへの関心が急激に高まっているという。シリアル大手の日本食品製造によると「2020年に入ってからは人気のあまり一時品薄になることもあった」。
人気の理由は白米に比べた成分のバランスの良さだ。管理栄養士の張戸伸子さんによると「オートミールは水分で膨れるため、1食分は乾燥した状態で30グラム程度」。炊いた白米一食分(約150グラム)と比べてみると「消化管での糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる水溶性食物繊維が豊富」(張戸さん)という。たんぱく質、ビタミン、鉄の含有量も白米より多い。その一方で糖質は白米の約半分にとどまる。
ブームとはいえ、消費者はオートミールを抵抗感なく生活に取り入れているのだろうか。都内でPRの仕事に就く田美智子さん(40)は2月に朝食を白米からオートミールに切り替えた。オートミールは甘い味付けのイメージから敬遠していたが「和洋中何でも合うし、レンジで調理できる点も手軽で魅力」と話す。