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ライフコラム
ニッキィの大疑問

2021/6/7

ニッキィの大疑問

半面、ネット通販の拡大に伴い物流施設の重要性が高まり、物流関連不動産の価格が上がっています。不動産業界では交通網へのアクセスが良い地域は物流拠点として評価が高まるとみられています。

黒木さん「地方などに明るい兆しはないのでしょうか」

欧米では感染防止のためソーシャルディスタンス(社会的距離)の重要性が強調され、「密」になりやすい大都市を避ける動きが加速しています。米国ではリモートワーク用に、郊外に広めの住宅を求める傾向が強まっています。

日本でも都心の超高層のオフィスビルなどを回避する動きが一部でみられます。受け皿になっているのは住宅では埼玉などの近郊住宅地です。オフィスについては、政府が地方に住みながら働くワーケーションを促しており、自治体が積極的な和歌山県白浜町などが注目されています。

東京ではコロナ禍の影響で収益性が計画を下回るプロジェクトも出てきそうですが、なおもインフラ整備や再開発計画が目白押しです。日本は「密」をつくり出し、都市の収益性を高める都市再開発を推し進めてきました。そうした政策のあり方を改めるとともに、省庁などの地方移転を真剣に進めない限り、地方の魅力が本格的に高まることは見通しにくいでしょう。

ちょっとウンチク

不良債権の火種の懸念も

バブル期に地域のリゾート開発を促した政府の戦略は、集客見通しが甘いホテルの破綻で、銀行に不良債権のヤマを残した。再び観光に活路を求めたインバウンド(訪日外国人)戦略は、五輪の誘致で東京の大規模開発を誘発したが、コロナ禍で2020年の訪日観光客目標は大幅未達になった。

銀行の20年末の不動産業向け貸し出しは84兆円で1989年末の1.8倍。貸し出し全体に占める比率は12%台から15%台に上昇している。もともと五輪は一過性イベントだ。地価の高い東京での集客計画に持続性があるのかどうかが、今後の不良債権の動向を左右しそうだ。(編集委員 太田康夫)

■今回のニッキィ
木崎 真那さん およそ10年ぶりにピアノの練習を再開し、新しいピアノも購入した。家にいる時間が長くなったことで、オンラインの料理教室も始めた。「いろいろな成果をインスタグラムで発信しています」
黒木 友紀さん 夫婦そろってコーヒーが大好きで、市販の豆や自家焙煎(ばいせん)を楽しんでいる。豆の産地や栽培にも注目する。「いつもコーヒーの香りでリフレッシュしています」

[日本経済新聞夕刊 2021年5月31日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


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