茂木さん「日本の企業はどれぐらい守っているのでしょうか」

ガバナンス・コードの策定から4年あまり、19年の段階で、東証1部上場会社のうちほぼ指針を守っている企業は約9割になりました。英国のロンドン証券取引所プレミアム市場の上場会社が15年以上かけて達成した水準です。

社外取締役らがトップを選ぶ「指名委員会」や、トップらの報酬を決める「報酬委員会」の設置も進みました。

上場企業がコードを守る背景には、投資家から問題がある会社だと見られないようにする意味もあります。日本の上場企業への投資はいまや海外投資家を抜きに語ることはできません。海外から資金調達するためにも、コードへの配慮が重要といえますね。

川口さん「形式的に守ればいいというものではないですよね」

そうです。日本の企業統治の形式はコードの導入で劇的に変わりました。一方、実質では課題も残ります。社外取締役が「お飾り」となっている例も少なくないとされます。東芝のように不正が相次ぎ、経営陣と大株主との間で事業の将来像について対立が続いている会社もあります。

独立社外取締役の人数などコードは「見た目」を重視していますが、「実質」を軽視しているわけでは決してありません。だからこそ、コードに「従う」以外に、「説明する」という選択肢を残しています。コードが求める内容と違っていても、自社なりのやり方で良きガバナンスを追求する姿勢が重要です。

ちょっとウンチク

英国発祥、世界に広がる

コーポレートガバナンス・コードの発祥地は英国だ。1980年代から90年代に企業不祥事が相次ぎ、その反省からガバナンス・コードの原型となる統合規範を98年に策定した。英国を模範として、2000年前後からドイツなど導入する先進国が増加した。

東西冷戦終結を機に、日本や米国、欧州で企業活動がグローバル化し、ガバナンス改革の機運も国際的に強まった。日本は従来、監査役が経営陣をチェックする建前だったが、海外投資家などから不十分との指摘を受け、独立社外取締役を置く欧米型ガバナンスへの転換が進んでいる。(編集委員 渋谷高弘)

■今回のニッキィ
川口 奈保子さん 会社員。最近は筋トレにはまっている。パーソナルトレーナーと共に高重量メニューをこなし、体を鍛える日々。「筋トレはメンタルにも良い影響を与えてくれますね」
茂木 絵麻さん 会社員。映画が好きで、感動した作品は何度でも見る。お薦めは韓国映画の「私の頭の中の消しゴム」。新型コロナウイルス禍で少し太り、ダイエットに四苦八苦中という。

[日本経済新聞夕刊 2021年5月24日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


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