言っても聞かない部下への対処法 行動変化は自分から『リフレクション』

次のような場面を想像してみてほしい。最近、あなたが率いるチーム全体が忙しくなった。誰もが生産性を上げる努力をしている中で部下Aだけがこれまで通りのペースで仕事をしている。たびたび改善を求めても、変化が見られず悩ましい――。

こんな局面で役立つだろう手法が「リフレクション」である。自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為で、「内省」に近い。その目的はあらゆる経験から学び、未来の行動や意思決定に生かすことだ。本書『リフレクション』は、「自分を知る」「ビジョンを形成する」「経験から学ぶ」「多様な世界から学ぶ」「(過去の学習法を否定する)アンラーンする」という5つのリフレクションのメソッドと、職場や人材育成での応用を解説している。

著者は、一般社団法人21世紀学び研究所代表理事の熊平美香氏。

自分の内面を深く掘り下げる

リフレクションはどのように進むのか。まず、自分の判断を「意見」、「経験」、「感情」、「価値観」の4つの角度から分析することが大事だ。意見とは自分の考え、経験とはその考えの根拠となる体験、感情とはその体験にひもづく気持ち、価値観はその感情を引き起こす自分のものの見方のことだ。

例えば、冒頭の事例のような場合、以下のように、自分の内面を掘り下げることができる。

・意見:部下A以外のみんなはこれまで以上の仕事量をこなしてくれている。部下Aにも、生産性を上げて欲しいと伝えれば、きっとできるはずだ。

・経験:他の人たちは、お互いに協力し進めてくれているな。みんな自主的に考えて動いているように見える。

・感情:(みんなが主体的に動いてくれて)ありがたい、(Aの仕事ぶりが変わらず)残念

・価値観:主体性、状況対応力を発揮している

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