お薦めのミュージアムグッズが買える 東西10施設
梅雨で外出しにくい時期でも気軽に出かけられる美術館や博物館。そのミュージアムショップで最近、ユニークな商品が次々と生まれている。美術館に詳しい専門家にお薦めの店を選んでもらったところ、国内外から多数の旅行客が訪れる立地の強みが発揮され東日本の上位は東京勢が独占した。
<東日本>
おしゃれな衣類やおもしろ雑貨
今年2月に地上1階の入り口付近にも売り場を新設。「『東京の土産物』として、今の暮らしに使える豊富な品々でライフスタイルの提案がある」(川島蓉子さん)(1)午前10時~午後6時(金曜日は午後8時まで)(2)火曜日※(3)不要(4)03・6812・9933(直)
はにわグッズ満載
展示と連動、知育グッズ
職人手作りの団扇
現代作家のエプロン
<西日本>
ブローチ風のポケット
立地もあり、「伝統工芸などの企業とコラボしたグッズもあり、地元に根差した活動が好ましい」(馬場典子さん)との評価も。(1)午前10時~午後6時30分(金、土曜日は午後8時30分まで)(2)月曜日※、年末年始(3)不要(4)076・236・6072(直)
猫Tシャツ
「みんぱくミュージアム・ショップ」は「博物館で世界旅行を楽しみ、土産を買う気分」(後小路雅弘さん)。「アレブリヘ」(写真、6480円)はメキシコの空想上の生物の木彫り。(1)午前10~午後5時(2)水曜日※、年末年始(3)不要(4)06・6876・3112(直)
「最近のヒットは所蔵する戦国時代の医学書『針聞書(はりききがき)』に登場する『かんしゃく』などの想像上の虫のキャラクター商品(写真、540円)」(福島佳代子さん)で、いずれも少し不気味でかわいらしい。(電)092・918・8818(直)
所蔵する展示品を題材に地元企業などと連携し、商品を開発。館の看板作品であるグスタフ・クリムトの「人生は戦いなり(黄金の騎士)」に着想したレトルトカレー(写真、500円)は地元ホテルとの合作で力強い味。(電)052・955・5506(事)
表の見方 数字は選者の評価を点数換算、美術館・博物館名。カッコ内は所在地。店名無記載の場合は「ミュージアムショップ」。東1~3位以外の写真は各施設提供(1)営業時間(2)主な休日、※祝日の場合は翌平日休み((1)(2)は季節、展示替えに伴う休館などで変更有り)(3)大人1人の入店に必要な料金など(4)(直)は店直通(代)は館代表(事)は運営事務局などの電話番号。東西4、5位は(1)~(3)省略。東4位の5階店舗と東5位は入館料必要
■雑貨店感覚で巡ってみよう
戦前から簡易な販売活動が始まり、1960~70年代に美術館が全国的に増えて常設店を構える動きが広がった。作品を活用した独創的な商品の開発がさかんになったのは90年代後半ごろ。国や地方が財政難から美術館などにも運営の効率化を求め始めた時期とちょうど重なる。
最近はショップに寄るだけなら入館料不要という施設も増えた。展示を観賞して商品を手に取るのもよいが、雑貨店巡りの感覚で手軽にアートやサイエンスに親しみ、個性的な商品を探してみるのもまた楽しい。
◇ ◇ ◇
調査の方法 全国の美術・博物館などのミュージアムショップを対象に楽しさや商品の独自性、展示との調和の観点から原則5つ以上、専門家が順位付けして選んだ。紹介商品は専門家の推薦と各店の自薦で勘案。選者は以下の通り(敬称略、原則五十音順)
青野尚子(ライター)▽後小路雅弘(九州大学大学院教授)▽大月ヒロ子(ミュージアム・エデュケーション・プランナー)▽川島蓉子(ifs未来研究所所長)▽児島やよい(キュレーター、ライター)▽高橋綾子(名古屋芸術大学准教授)▽高橋信裕(常磐大学教授)▽勅使河原純(美術評論家)▽中村剛士(美術ブログ「青い日記帳」主宰)▽馬場典子(ぴあMOOK「日本の美術館ベスト250完全案内」編集長)▽福島佳代子(ウェブマガジン「artscape」編集部)▽村井良子(ミュージアム・コンサルタント)▽森井ユカ(雑貨コレクター、デザイナー)▽山下治子(ミュージアム専門誌「ミュゼ」編集長)
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