福島さん「働き方改革を前向きに捉えているんですね」

テレワークでも組織が回るか否か。カギは管理職が握っています。「目の前にいない部下をどう評価したらいいのか」「サボっていないか」「どう仕事を割り振ればいいのか」。そんな戸惑いの声をよく聞きます。いずれも同じ場所と空間を共有して働く昭和スタイルのマネジメントから生じる悩みです。適正な目標を定め、権限を委譲し、仕事の進め方は部下に任せる――こうしたマネジメントができる管理職を企業も育てなくてはいけません。

ピンチはチャンスなのです。日本は人口減による人手不足、イノベーションが起きにくい企業風土という構造問題を抱えていました。テレワークが普及することで働き手の裾野は広がります。様々な働き方を認めることで働き手が多様になり、いろいろなアイデアを出し合う創造性の向上に結びつきます。いつも同じ職場環境で過ごすのとは違って、環境変化が発想の刺激になります。

前例にとらわれず、働き方を抜本的に見直すチャンスでもあります。アサヒグループホールディングスは工場にもテレワークを導入する方針です。テレワーク可能な派遣求人も増えてきています。「できない」と決め付けず、課題の一つ一つを洗い出し、解決する覚悟を持てば、得られる物は大きいはずです。

ちょっとウンチク

五輪が普及のきっかけに

世界では五輪がテレワーク普及のきっかけになった。米国アトランタ市(1996年)、英国ロンドン市(2012年)でそれぞれ開催されたとき、観戦者らの大混雑を避けようと企業が社員にテレワークを推奨した。やってみると仕事の効率上昇や疲労軽減などの利点を実感。定着に道を開いた。

日本でも東京五輪をテレワーク普及の契機にしようと国は画策していた。17年に普及キャンペーン「テレワーク・デイ」を始めた。20年の東京五輪は延期になったが、開催期間中のテレワーク実施を企業も準備していたので、コロナ下で円滑に普及が広がった。(編集委員 石塚由紀夫)

■今回のニッキィ
福島 洋子さん イベント会社勤務。展示会が軒並み中止になり、どう打開するのか奮闘中。「コロナ前の社会に戻るのでなく、新しい社会に生まれ変わるよう、私もチャレンジしたい」
川口 真紀子さん 社会保険労務士。新型コロナの感染拡大のため、部屋でできるトレーニングや美容分野に興味あり。目下、フラフープをうまく回すことに挑戦中。「健康美を目指します」

[日本経済新聞夕刊 2021年5月17日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


次世代リーダーに必要な3つの要素を身につける講座/日経ビジネススクール

若手・中堅社員向け!ビジネスの現場ですぐに役立つ実践講座

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら