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テレワークの定着にはコミュニケーションなどの課題が残る(写真はイメージ) =PIXTA

テレワークの定着にはコミュニケーションなどの課題が残る(写真はイメージ) =PIXTA

在宅勤務やテレワークという働き方が新型コロナウイルス感染防止をきっかけにして、だいぶ浸透してきたわ。自由な働き方ができるのは働く側には歓迎だけど、本当にこのまま定着するのかな。

テレワークが進む背景と課題について、川口真紀子さんと福島洋子さんが石塚由紀夫編集委員に聞いた。

川口さん「テレワークって昔からある仕組みなんですか」

情報通信技術(ICT)を使って普段の職場とは違う場所で仕事をするのがテレワークです。日本では2005年に産官学が集まり「テレワーク推進フォーラム」を設立しました。ところが、実情はなかなか浸透しなかったのです。例えば国土交通省の「テレワーク人口実態調査」を見てみましょう。16年度にテレワークを知っている人は18.5%だったのが、新型コロナ対策で一気に導入が進んだ20年度には、67.9%まで高まったのです。

福島さん「なぜ急に変わったのですか」

やむにやまれず導入したら、企業が意外な効果を実感したようです。厚生労働省が委託した「テレワークの労務管理等に関する実態調査」(20年)では、企業の多くが働きやすさの向上やコスト削減につながると回答しています。テレワークを続けたい、拡大したいと答えたのは従業員では87%、企業では44%にのぼったのです。

川口さん「でも課題、問題はないんですか」

新型コロナが流行する前の職場の生産性を100とした場合、在宅勤務の生産性はどうでしょうか。独立行政法人の経済産業研究所が20年8~9月に調査した結果を見ると、在宅を受け入れやすい風土にある情報通信業で80.3、回答企業平均では68.3と低いですね。「目の前に同僚・部下がいないとコミュニケーションがとれない」「就労管理が難しい」「仕事と家庭の線引きが困難」といった課題があります。

新型コロナ対策でテレワーク期間が長くなり、企業も順応策を探っています。ヤッホーブルーイングはオンラインで雑談朝礼を開いています。日立製作所は1日1回上司との対話の機会を設けました。いずれもコミュニケーションの活性化が狙いです。ほかにも裁量労働制の拡大(凸版印刷)やジョブ型雇用の導入(富士通やKDDI)など柔軟な働き方を認めることで、テレワークでも働きやすくなるように工夫を凝らす企業が増えています。

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