結構なお点前…専門家推薦、学べる日本茶カフェ9カ所
日本茶を気軽に楽しめる店が増えている。せっかくならいれ方や知識も吸収したい。東日本、西日本で茶について学べるカフェを専門家に聞き、カフェの多い東京と京都、産地の静岡や九州の3地域に分けて集計した。
<京都>
急須から客がいれるスタイル
随時開催するお茶のいれ方教室では、いれ方や、茶の製造工程や銘柄ごとの違い、菓子との合わせ方なども学べる。「容器を持参すれば気軽にお茶のテークアウトができる」(萩原友香さん)。東京・丸の内と米ニューヨークにも店舗がある。(1)煎茶「嘉木」810円(和菓子付き)など(2)年末年始(3)075・211・3421
お茶スイーツも充実
水曜日を除く平日の午前中には抹茶教室を開く(事前申し込みが必要)。1人1000円で4人まで参加可。「午後2時までの限定メニューの濃茶の薄葉ごはん(1400円)は逸品」(こすだゆきこさん)(1)抹茶「雲鶴」薄茶と和菓子1100円など(2)水曜日(祝日の場合は営業)と正月三が日(3)075・223・0909
茶葉のブレンド体験も
<東京>
いれ方教室を随時開催
茶のいれ方教室は随時開催しており、抹茶教室もある。17日までは年6回開く茶を楽しんでもらうイベント「茶遊会」の期間中で、700円支払えば1~5階まで各階で様々な茶とお茶請けを味わえる。次回は7月。茶のいれ方や道具など、「専門店として基本がしっかりしている」(高宇政光さん)、「お茶の違いを楽しみながら学べる」(金沢木綿さん)。(1)お菓子付き500円(2)日曜、祝日(3)03・3542・2336
テーマは「ティーサロン」
単一農園の茶葉のみ
<その他>
静岡のほか、九州から新潟まで産地や銘柄別に40種類ほどの茶を味わえる。製茶問屋出身の店主がカウンターでいれる。「急須を使ったお茶のパフォーマンスは驚き。最後の1滴の重要さがよくわかる」(相川香さん)とその一連の動きに思わず見入ってしまう。静岡茶市場の近くで茶の歴史や流通について学べるほか教室も随時開催。茶葉の販売も。(1)「本山」(ほんやま)430円など(2)水曜日(祝日の場合は翌日)、第2土曜日(3)0800・200・1311
製茶問屋、前田金三郎商店による「洋菓子に合うお茶」を目指した店。1階で洋菓子を買い、2階の喫茶室で無料の茶を味わう。香り付けしていないのにミルクティーやブドウを感じさせる個性的な茶も。講座は随時開催。(1)本山茶っふる1個129円など(2)水曜日(3)054・252・2476
100年以上の歴史を持つ日本茶専門店、角の八女茶の喫茶室。カウンターでは店員越しに庭を眺めつつ茶を楽しめる。「日本茶インストラクターなどの資格を持つ店員がお茶をいれてくれる」(萩原さん)。教室も開催。(1)玉露セット(和菓子付き)720円など(2)なし(3)092・566・3777
表の見方 数字は選者の評価を点数にした。店名、所在地(1)主なメニュー名と消費税込み価格(2)定休日(3)電話番号
■和の雰囲気でまったり
茶は品種や産地、栽培条件によって味わいが変わる。前田金三郎商店(静岡市)の店主、前田冨佐男さんは「同じ静岡産でも山間部では香りが、平野部だとうまみが強くなる傾向がある」という。日当たりの差でも味が異なる。
総務省の家計調査では、2013年の一世帯当たりの緑茶への支出金額は4288円で20年前の6割ほど。「急須でお茶をあまりいれなくなったためにカフェでの体験が新鮮」(金沢木綿さん)に映り、日本茶カフェの人気が高まっているという。京都1位の一保堂茶舗は客自らが店員の指導で茶をいれるスタイル。和の文化と共においしい新茶を満喫したい。
◇ ◇ ◇
調査の方法 専門家の意見をもとに店のリストを作成。専門家10人に、(1)店員の知識が豊富で、茶について教えてくれる(2)茶のいれ方教室がある(3)茶の違いや文化を体験できるなどの観点から、日本茶のことを学べるお薦めの店を東日本、西日本に分けて選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)
相川香(お茶プランナー)▽麻生玲央(オールアバウト関西グルメガイド)▽市川雅恵(日本茶研究家)▽小沢恭子(日本茶インストラクター)▽金沢木綿(「東京の日本茶カフェ」著者)▽川口葉子(東京カフェマニア主宰)▽こすだゆきこ(お茶と果物のソムリエ)▽高宇政光(日本茶専門店「思月園」店主)▽萩原友香(交通新聞社「散歩の達人ムック お茶カフェ」編集チーフ)▽畑寿一郎(日本茶インストラクター協会大阪支部長)
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