母の日、感謝の気持ちと学びたい点
11日は母の日。贈り物などに感謝の気持ちを託す人は多いだろう。今回は昨秋創刊した共働き世帯向けの情報サイト「日経DUAL」と共同でどんなことに感謝しているかをインターネット調査で聞いてみた。
<あなたの子どもでよかった>
・「街で悪さをしても『この子は悪くない、事実ならばよほどの事情があったはず』と弁護してくれた。本当は自分が悪く後で怒られたが」(40代男性)
・「子どもの頃、友達に顔のことをからかわれたが『それがいい』と褒めてくれて自信がついた」(40代女性)など無償の愛を感じた人は多い。
・「大学進学を反対した父を説得してくれたのは、今は亡き母だと後で聞いた」(40代女性)
・「劣悪な就業環境に耐えられず会社を辞めた時、『あなたの身体が一番大切』という言葉がうれしかった」(30代男性)などと窮地で寄り添ってくれる。年齢を重ねても絶対的な存在として頼れるのは母だからこそ。
・「思春期で自暴自棄だったとき『あなたが命を絶つぐらいなら私が先に』と本気で叱り支えてくれた」(30代女性)
・「前の夫とうまくいかずうつ病になって家を飛び出した時、何も言わずに受け入れてくれた。母がいなければ今の私はない」(30代女性)と、懐の深さに感じ入る。
・「成績が伸びなくても見守ってくれた」(20代女性)
・「家賃が払えなくなったとき『帰ってこい』と言ってくれた」(40代男性)など寄り添ってくれる強さに感謝。
・「元気がないと話をじっくり聞いてくれて、学校へ行くのが憂鬱な時は、姿が見えなくなるまで見送ってくれた」(30代女性)
・「落ち込んでいるとさりげなく好物の食べ物を作ってくれ、心配していることを伝えてくれた」(50代女性)
・「定期的に実家に呼び、食事をごちそうしてくれてだんらんの時を過ごす機会をくれる」(40代男性)
・「家庭を持ち、実家を離れた今も買い物や外食に一緒に行ける」(20代女性)
・「普段は母が実権を握るが、一家に関わることは父に一任して威厳を持たせる」(20代女性)
・「『嫁いできてくれた人は誰が何と言おうと味方になってあげなさい』と教えてくれた」(50代男性)
<その姿勢、人生の極意です>
・「食料品の小売店で朝早くから夜遅くまで、365日働いていた。仕事に対する姿勢にうたれた」(60代男性)と大切なことを背中で教えてくれた。
・「自分に対して誠実に、と教わり、自分の選択に自信を持って行動できるようになった」(40代男性)
・「仕事や子育て、家事ととてもまじめ。昔は堅苦しくて嫌だったが、自分も同じになれた」(30代女性)という声も。
・「相手の状況を知り失礼に当たらないよう気を使いつつ、他人の力になろうとしていた」(40代女性)
・「学校や地域の役員などに積極的に参加する姿を見て自分も加わるように」(60代女性)
・「今がどん底だからはい上がるだけ、と思い切り泣いて気持ちを切り替える」(40代女性)
・「末期がんで病と闘う母を毎日見舞い、明るく楽しく生きなさいと生き方を伝授してもらっている」(50代女性)
<いつも見習っています>
表の見方 数字はその項目を選んだ人の数
■いくつになっても一番の理解者
「母といるといつも心が安まるから不思議」(50代男性) 大人になっても母親は自分の最大の支援者だ。成長するにつれ距離が広がる母と子の関係だが、大人になり社会に出ると「常に見守ってくれる母親が貴重な存在と分かり、ありがたみが増す」(発達心理学が専門の菅原ますみ・お茶の水女子大学教授)。
「多忙だが女性も子育てしながら仕事ができること、職業を持つ尊さを身をもって示してくれた」(40代女性) 家事に限らず仕事や地域の活動もする母親を、社会人や大人としての手本とする人は多い。「母の振る舞いは、職場でも生かせる」と東レ経営研究所(千葉県浦安市)の宮原淳二ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部長はいう。
部下の様子の小さな変化を察して「少し元気がないね」などと声をかける周囲を気遣う細やかなコミュニケーションの取り方は「母性型マネジメント」と呼ばれ、職場でも広がりつつある。今の自分があるのは、お母さんのおかげ。お母さん、ありがとう。
■老後のこと一緒に考えよう
アンケートでは「これから母に聞きたいこと、教わりたいこと」も1つ尋ねた。好物や母の味の料理の作り方、お金のやりくりといった現実的なノウハウをおさえて、最も多かったのは「母親が老いて今後どういう生き方をしたいかという希望」だった。
一般的に女性は男性より長生きする人が多い。夫を見送ったあと、一人で何年も暮らすケースもある。家事や仕事が一段落した後、長い「老後」が待っている。
菅原教授は「母親が幸せでいることは子どもにとっても幸せなこと。普段から母親の希望を聞く習慣を持ち、一緒に老後のライフデザインを考えてはどうか」と提案する。子どもも成長し、今度は母親の支えになりたいと思っている。
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「日経DUAL」は日経BP社が昨秋創刊したサイト(http://dual.nikkei.co.jp)です。子育て中の共働き世帯向けに役立つ知識やノウハウなどお得情報を掲載しています。
調査の方法 4月中旬、日経生活モニターと日経DUALの読者モニターを対象に「母親に感謝していること、これから教わりたいこと」を聞いた。結果をもとに人との関係や付き合い方などで17項目、生活の基本で19項目、母親の生き方や考え方で20項目、今後教えてほしいこと19項目の選択肢を作成。4月下旬にネット調査会社マクロミルを通じ、全国の20~60代の男女を対象に調査した。有効回答数は1030、各年代で男女同数。複数回答とそのうち1つだけも選んでもらった。
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