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女性幹部を育てる新手法が日本企業で相次いで採用され始めた(写真はイメージ)=PIXTA

女性幹部を育てる新手法が日本企業で相次いで採用され始めた(写真はイメージ)=PIXTA

森喜朗元首相の「女性蔑視」発言が問題になったわね。安倍晋三内閣も「女性活躍」を掲げたけど、指導的立場の女性はなかなか増えないわ。女性が活躍するのが当たり前の社会は実現するのかな――。「女性活躍」の現状などについて、石塚由紀夫編集委員が小田るみ子さんと柳沢佳澄さんに解説した。

柳沢さん「女性活躍の現状はどうですか」

数値的な目標は2003年の小泉純一郎内閣時代に遡ります。「20年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」というものでした。第2次安倍内閣は「女性活躍」を成長戦略の柱に位置づけ、16年には企業に行動を促す「女性活躍推進法」が施行されました。

女性活躍が注目され始めた13年と20年を比べると、女性の就業者は261万人(9.6%)増え、男性の伸びを大きく上回ります。育児休業を取得した女性も増えており、出産は就業継続の障害ではなくなりつつあります。

しかし、もう少し詳しく見ると厳しい現実が浮かびます。企業の管理職に女性が占める比率はわずかに増えた程度です。19年で部長クラスは6.9%、課長クラスは11.4%にとどまります。女性の就業者数は増えましたが、非正規雇用が中心です。新型コロナウイルスの感染拡大で女性の非正規雇用者数が減ったため、感染拡大前の19年と比べ20年の女性就業者数はわずかに減少しました。

小田さん「国際的にも見劣りしていると聞きます」

世界経済フォーラムは男女平等の度合いを「ジェンダー・ギャップ指数」としてまとめています。20年版の日本は153カ国中121位と過去最低でした。この指数は政治、経済、健康、教育の4分野をもとに算出しますが、日本は政治と経済が極端に低くなっているのが特徴です。

18年には、国会などの選挙で候補者数が男女均等になることを目指した「政治分野の男女共同参画推進法」が成立しました。今年は衆院選が行われますが、現状の立候補予定者を見ると、前回の17年衆院選立候補者の女性比率18%弱と大差ありません。経済界でも経団連が役員の女性比率を30年までに30%以上とすることを目指していますが、かなり高いハードルです。

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