貞弘さん「実用化に向けた課題は何ですか」

本格利用時には量が膨大になります。日本全国の石炭火力にアンモニアを20%混ぜた場合、今の世界貿易量に匹敵する2千万トンが必要です。

作り方には2つ方法があります。一つは太陽光や風力などの再エネを使って水を電気分解して水素を取り出し、これを窒素と合成する方法。もう一つは天然ガスや石油などの化石燃料から水素を取り出し合成する方法です。化石燃料からつくる場合は、発生するCO2を回収し、地中に埋めて処理するなどの技術と組み合わせていきます。

コストの低減も重要です。実用化には30年までに今の価格に比べて最大3割程度下げねばなりません。大量のアンモニアを安価かつ安定的に生産・輸送するため、中東やオーストラリアなどでアンモニアを生産し、日本に運ぶ検討が始まっています。また、アンモニアは窒素酸化物(NOx)の発生を抑える技術の開発も不可欠です。

一方で、温暖化ガスを出さない電力利用が増えれば、その分発電に必要なアンモニア燃料も増えます。電力を無駄なく使い、省エネにも気を配らなければ、脱炭素を後押しすることにならないことには注意が必要です。

ちょっとウンチク

日本発の脱炭素技術に

アジア諸国は成長を支える電力の供給力整備が課題となる一方、電源に占める火力の比率が全体で8割に迫る。アンモニア燃料は既存設備を活用しながら脱炭素を進める有効な手段となりうる。

産油国や産炭国にとっては石油や石炭を使ってアンモニアや水素をつくれば、地中の化石燃料資源が価値を生まない「座礁資産」になることを回避できる。

日本はかつて世界に先駆けて液化天然ガス(LNG)の大量導入に踏み切り、LNGビジネスを主導する地位を獲得した。アンモニアを日本発の脱炭素技術に育てるには国際的な仲間づくりが欠かせない。(編集委員 松尾博文)

■今回のニッキィ
石村 知子さん 大学職員。長い自粛期間だったが、昔好きだった読書を再開できたのは数少ないよい点だった。「『ライフシフト』など、読みたいと思っていた話題の本を消化できています」
貞弘 純子さん 京都在住。現在、キャリアコンサルタント資格の試験勉強を進めているところだ。以前部下の相談に乗っていて、「キャリア形成について学びたいと思ったのがきっかけです」

[日本経済新聞夕刊 2021年3月15日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


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