片づけることからはじめる

「身の回り整え方」で筆者は、モノを片づければ心が安定することを説きます。そして具体的な行動術として「2.鞄(かばん)に徹底的にこだわる」「5.モノを探すときは制限時間を設定する」「7.シャツは『白一択』」などを取り上げます。そのなかから1つご紹介しましょう。「10.電子マネーは早めにチャージする」です。

実際に問題が起こる前に、その事態を想定して対処しておく。これはリスクマネジメントの基本であり、自律神経を無駄に乱さない防御策でもあります。
 医者の視点で言うならば「もしかして、こんな問題が起こるかな」と不安を感じる前に対処しておくことをオススメします。
 わかりやすいのが車の給油。車を運転する人なら誰もが「もしかして、ガソリンが足りなくなるかも」と感じた経験があるはずです。
 自律神経的には、そう感じた時点ですでにアウト。
 「ガス欠になるかも」と不安が生まれた瞬間に、自律神経は乱れ、運転に集中できなくなり、事故を起こすリスクが高まっています。
 だから、私は給油メーターが残り4分の1を切ったら、迷うことなく給油します。
 それとまったく同じ感覚で、財布の中身が『○万円以下になったら、必ず継ぎ足す』、電子マネーが『○千円以下になったら、必ずチャージする』というルールも決めています。『お金が足りなかったらどうしよう』なんて不安な思いをして、無駄なストレスを感じたくないからです」
(第1章 まず、ものを片づけて、心を安定させる 58~59ページ)

毎朝の習慣を変える

朝の時間は忙しいもの。誰もがそう思っていますが、少し、自分の生活リズムを見直してみましょう。コロナ禍で時差通勤や在宅勤務が普及したのは、やむを得ず起きた大きな変化です。でも、それ以前からラッシュを避けるために朝早く家を出て、会社近くの喫茶店などで仕事をする人は結構いました。企業によっては、働き方改革の一環として早朝から社員食堂を開けて、社員に朝ご飯を提供するところもありました。

著者は「48.通勤時こそ『ゆっくり、リズミカルに』歩く」ことを勧めています。朝の電車の乗り換えで、猛然とダッシュする人をときどき見かけます。「朝は5分でも長く寝ていたい」「乗り換えの都合で、走らないと次の電車まで長く待つ」といった急ぐ理由は理解できます。

しかし、通勤時にダッシュする(慌てる、焦る)ことで一気に自律神経を乱し、仕事に向かうコンディションを悪くしていることをもっと問題視してほしいと私は思います。
 会社に着いたとき、できるだけベストなコンディションで仕事を始めるには、通勤時にはゆっくり、リズミカルに歩くことが一番。
 ゆっくり歩くことで汗をかかずに済みますし、「ゆっくり」を意識することで呼吸も深くなり、それだけ自律神経が整います。
 そして「リズミカルである」というのも、適度に副交感神経を高め、落ち着いた状態で、集中力を高めてくれる効果があります。
 通勤時にいつも急いでいる人は、1本だけ早い電車に乗って『家から駅まで』『乗り換え時』『駅から会社まで』の3つの区間でゆっくりリズミカルに歩くことを試してみてください。
 それだけで仕事を開始するときのコンディションは決定的に整います。
(第4章 体のスイッチを意識する 140~141ページ)
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