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海外経験もある夫人はメイ氏の支えになっている

海外経験もある夫人はメイ氏の支えになっている

業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第17回では、日本流の言い回しや振る舞いについて語ります。

◇  ◇  ◇

日本に住んで約30年。英語と日本語をはじめ6カ国語を操るメイ氏だが、重要なのは言語ではなく相手の気持ちを理解することだと語る。文化的な背景も含めて理解することで、初めて異なる文化の間の橋渡しができるという。

自分は半分日本人で半分外国人だと思っています。住んでいるのは日本ですし、社会人としても外資系と日本企業が3社ずつ。6カ国語を話しますが、日本語と英語、オランダ語が最も得意です。

話していて感じるのは日本語と欧米の言葉の語順の違いです。ほぼ真逆です。さらに日本語は間接的な表現が多いうえに、結論が最後に出てきます。

英語だと反対意見を述べるときは「私は同意しない、なぜなら~」という言い方になるので、聞いている方は身構えることができるのです。日本語だと「~なので同意しま」までは結論が出ていません。その後に「す」なら同意、「せん」なら非同意となります。最後の最後でひっくり返せるのです。

こういう両方の言語に通じているからこそ、交渉の時に相手の気持ちがわかります。ビジネスの世界ではどれだけ相手の気持ちを理解できるか。相手と同じような気持ちを持てるかが大事だと思います。言い回しや表現一つだけでも、結論は変わらなくても印象が変わります。日本語の場合は曖昧な表現があるのでさらに難しくなります。

例えば「考えておきます」という表現があります。これを単純に英語にすると非常にポジティブな意味合いになります。でも日本人としては断っているわけです。「検討します」ならば、「考えておきます」より少し前向きです。でも英語にするとほとんど変わりません。このニュアンスの差をくみ取れないと交渉の中で誤解が生じます。

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