考える自由の守られた環境が「多様性」を育む

分断や格差が深まってしまった時代に健全な社会をつくるためには、「多様性」を実現することが極めて重要だ。今回紹介する『東京の多様性』は、日本の首都に縁のあるアーティストや研究者、起業家など12の「知性」がワンテーマを語った。新型コロナウイルスだけでなく、環境問題や貧困、孤立などさまざまな課題に直面している東京の未来について考えるヒントが詰まっている。

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滝久雄氏（撮影=操上和美）

編著者は、ぐるなびの創業者として知られる滝久雄氏です。「次の世代に明るい未来を引き継いでいきたい」という使命感から本書を企画しました。滝氏は1940年東京生まれ。東京工業大学理工学部機械工学科卒業、東京工業大学名誉博士。ぐるなび会長、NKB（東京・千代田）会長で、公益財団法人日本交通文化協会理事長、公益財団法人日本ペア碁協会名誉会長を務めています。公共施設に芸術を導入するパブリックアートや囲碁の普及に尽力したことで2020年に文化功労者に選ばれました。著書に『貢献する気持ち―ホモ・コントリビューエンス』『ぐるなび「No.1サイト」への道』などがあります。

世代・国籍・専門はさまざま

滝氏に加えて、世代、国籍、専門分野など多様なバックグラウンドを持つ以下の11人が自分の考えを述べていきます。