外資からサンスターに転職 経営の道、歩み始める
新日本プロレスリング前社長 ハロルド・ジョージ・メイ氏(11)
サンスターで初めて上場企業の執行役員となり、株主総会にも出席した
業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第11回では、初めて勤める日本企業としてサンスターに転職した当時を回想します。
日本リーバではずっとリプトンを担当していました。このままずっと飲料を担当していくのかと思っていたのですが、まったく別な世界であるサンスターから誘われ、執行役員としてオーラルケア部門を任されることになりました。
サンスターはちょっと変わった会社でした。オーナー企業ですが、当時は上場していました。上場企業の経験はこれが初めてです。もちろんユニリーバやハイネケンといった海外の親会社は上場していましたが、日本法人には上場企業という意識はありません。
サンスターでは株価への影響や株主がどう思うかなど上場企業ならではの仕事の流れを一通り学びました。初めて株主総会にも出席しました。質問を受ける可能性があるのでいろいろ準備しました。
オーナー企業という独特の世界も未経験でした。ハイネケンも実はオーナー企業なのですが、ハイネケンさんは会社に出てきません。これに対して日本のオーナーは会社によく来ます。