東南アジアのタイで制作されるドラマの存在感が急激に高まっている。コロナ禍による外出自粛の期間中からにわかにYouTubeなどで視聴する人が増加。2020年11月27日には、テレビ朝日がタイを代表するテレビ局のGMMTV社と業務提携を発表するなど、21年はタイドラマ旋風が巻き起こりそうだ。
日本で本格的にタイドラマの人気に火が付いたのは、2020年のゴールデンウイーク前後から。きっかけとなったのは、GMMTVが制作し、タイで2月に放送を開始した『2gether(トゥギャザー)』だ。同作は当時、日本未放送・未配信だったが、YouTubeで視聴した日本のファンがツイッターに「面白い」と投稿。その評判がコロナ禍で新しいコンテンツを求める人に伝播(でんぱ)し、一気に知名度を上げたのだ。
日本での『2gether』の配給権を獲得したコンテンツセブン(東京・中央)は、タイドラマのファン層を次のように語る。
「これまでのアジアドラマのファンは、中高年が中心という印象でした。タイドラマはSNSを通じて熱が広がったことから若年層を含む幅広い世代がファンになっている印象です。SNSを活用してタイ現地の最新情報も入手しており、『2gether』以外にもさまざまな作品や出演俳優が人気を集めています」
海外作品を扱う日本の配給会社や配信サービス、放送局もタイドラマに注目。『2gether』は20年7月からRakuten TVで配信が、10月からはWOWOWでの放送がスタートしている。GMMTV以外のタイの制作会社の作品も人気を集めており、コンテンツセブンは、タイ・Me Mind Y社が手がけるドラマ『TharnType2 -7Years of Love-』の配給権も獲得している。
他にも、たくさんの配給会社がタイドラマの配給権獲得に乗り出しており、例えばクロックワークス(東京・目黒)は、『2gether』のスピンオフ特別編に当たる『Still 2gether』などGMMTVの3作品の獲得を発表。WOWOWにて20年12月から順次放送が開始となる。
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