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消防大学校などに講師として招かれ、消防の国際化などを語った

消防大学校などに講師として招かれ、消防の国際化などを語った

業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第7回では、大学・大学院時代の消防ボランティア体験を振り返ります。

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消防隊のボランティアをとことんやろうと決めて隊長にまでなった。その経験はビジネスの現場でも強く生きている。

私は何かをやるからにはとことんやる主義です。それはビジネスでもそうですが、大学時代はボランティアでした。せっかくなので消防、レスキュー、救急業務もとことんやろうと思ったのです。

それぞれの技術などを学ぶ学校に通いましたし、その後は隊長(オフィサー)向けの学校にも行き、実際に隊長になったのです。ちなみに米国初の外国人隊長だったと聞いています。

おかげでいろいろなことを学べました。例えば隊長はプレッシャーがかかる状況で即座に判断しなければなりません。火災でビルが燃えている場合、上からいくのか下からいくのか、突入すべきか否か、何人を突入させるのか。さまざまな判断をその場で求められるわけです。

2つ目に学んだのはチームの動機づけです。80人くらいのチーム全員がボランティアなので、メンバーは命令したからといって参加してくれるとは限りません。どうやってメンバーに参加の動機を持ってもらうか。現場への出動だけでなく、消防車の洗浄や物資の購入、トレーニングへの参加なども必要でした。

3つ目が優先順位付けです。今やるべきことなのか、どちらを優先すればいいのかなどを即座に判断する必要があります。私はこういう経験を通じて鍛えられたことが現在につながっていると思います。

大学時代の4年間で2000回以上出動しました。病院まで間に合わない緊急出産の介助をしたことが2回あります。命が生まれる瞬間ですね。逆に命が消える瞬間には何度も立ち会ってきました。心臓マッサージは何百回とやりました。

おかげで少しのことくらいでは動揺しなくなりました。ボランティア活動は税金だけではまかなえないので資金集めもしました。若いときの救命活動から経営に必要な多くのことを学んだと思います。

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