特集「未来の市場をつくる100社」の2社目は、斬新な1人焼き肉チェーン「焼肉ライク」などを成功させたダイニングイノベーショングループが放つ、新発想のハンバーガーショップ「ブルースターバーガー」。ITを活用した完全非接触のテークアウト専門業態で、with&アフターコロナ時代の外食スタンダードを狙う。

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2020年11月10日にオープンした「ブルースターバーガー中⽬⿊店」(東京都⽬⿊区上⽬⿊3-1-4グリーンプラザビル1階)
2020年11月10日にオープンした「ブルースターバーガー中⽬⿊店」(東京都⽬⿊区上⽬⿊3-1-4グリーンプラザビル1階)

 東京・中目黒の駅から2分ほど歩いた山手通り沿いに、その店はある。米西海岸が似合うようなおしゃれな外観の店舗で、大きなガラス越しに見えるキッチンでは、忙しそうにスタッフがハンバーガーのパティを焼いている姿を確認できる。平日の昼間、店舗を観察していると、客がひっきりなしに訪れる人気店のようだが、行列はできていない。それもそのはず、ほとんどの客が入店から1分ほどで注文した商品を受け取り、店を後にしていたのだ。

 2020年11月10日にオープンしたばかりのこの店舗、「ブルースターバーガー中目黒店」は、IT化が遅れている外食産業にあって、デジタルの活用を前提にビジネスモデルを組み立てた希有な存在だ。ユーザー接点の核となるのは、モバイル&ペイメント分野で実績を持つOkage(東京・中央)と共同開発した独自のアプリ。アプリで注文したい商品を選び、決済すると、ユーザー側には受け取り番号が発行され、店舗側にはオーダー情報が飛ぶ。それを見た店舗スタッフは調理を始め、完成するとアプリで通知。後は、店頭を訪れたユーザーがピックアップ専用棚から商品を受け取るだけと、非接触ですべてが完結する。

 店舗にセルフレジはあるが、「現状でアプリ経由の注文が約7割。セルフレジがあると、スタッフが使い方の説明を求められることがあり、効率的なオペレーションが難しくなる面がある。究極のところ、アプリ1本で完結するようにしていきたい」(ブルースターバーガージャパン社長の⻄⼭泰⽣氏)という。

ブルースターバーガーの独自アプリのトップ画面(左)。メニューを選んで決済する(中央)と、受け取り番号とロッカー番号が案内される(右)
ブルースターバーガーの独自アプリのトップ画面(左)。メニューを選んで決済する(中央)と、受け取り番号とロッカー番号が案内される(右)
店内の受け取りロッカー
店内の受け取りロッカー
社名:ブルースターバーガージャパン(東京・渋谷)
設立:2020年11月
製品/サービス:ブルースターバーガー
市場:低価格×高品質のITハンバーガーチェーン

IT活用の恩恵はハンバーガーのおいしさに

 IT化による恩恵は、非接触オペレーションの実現だけではない。

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