一口食べればリッチに ぜいたく食パンベスト10
ぜいたくな食パンが人気だ。個店だけでなく、コンビニエンスストアや量販店も売れ筋に比べ価格が2倍以上する商品をそろえ、新たな顧客獲得につなげている。そこで専門家らに週末に食べるのにお薦めのリッチな食パンを聞いた。
バターの味わい豊か
この風味にほれ込んだ橋本宗茂社長が20年前の開業時から作り続けている。たんぱく質が多い最上級の小麦粉や水、生クリームのほか、イースト菌を通常の半分以下にして酒種由来の酵母を使うなど工夫を重ねた。山型もあるが角食パンは生地の目が詰まる分味が濃くなり、香りが強くなるという。
選者11人のうち10人が推した人気ぶりで「誰もがおいしいと思う味わい。焼くと香りが立ち、生地のしっとり感が際立つ」(君島佐和子さん)。焼かずにそのまま食べたときの評価も高く、「口当たりがなめらか。バターなどをのせずにそのまま食べたい」(片山智香子さん)。平均で1日に50斤を焼く。葉山店は地元の人気店で4斤1本を買う人も多い。各地発送は応相談。(1)1斤(2)410円(3)コレットマーレ店、colette-mare.com/guide/shop_detail.php?key=937、046・875・4501(FAX)
食味のバランスが光る
「塩味、甘味、油脂のバランスが良く、トーストするとそれが生きる。どんな朝食にも合いそう」(荻山和也さん)と、主張しすぎず、料理やお酒の味を邪魔しない食べやすさが特徴だ。焼いても、焼かずに食べても風味がよく、値ごろ感もあってバランスがよい。(1)1/4サイズ(2)153円(371円)(3)近鉄あべのハルカス店、福岡天神大丸店、仙台三越店など全国23店、www.maisonkayser.co.jp/
長時間熟成で香ばしく軽やか
「焼くと香ばしさが際立ち、軽やかで中はむっちりとした食感。かみしめる楽しさがある」(瀬戸理恵子さん)、「小麦の香りがよく、甘みと酸味のバランスもいい。週末のために買い置きするか、土曜日の朝に買いに行きたくなる」(西祐子さん)
店舗販売のみ。焼きたてにこだわるため、販売は昼過ぎから。(1)1斤(2)284円(3)日本橋高島屋店、京都高島屋店など8店
乳製品使わず、独特のかみ応え
「断面がつややかで印象的。かみ応えがあり、かむたびに風味がふくよかに広がる」(瀬戸さん)、「和食と合いそう。トーストしてゴマペーストなど、味が強いものと合わせたい」(竹村明子さん)。全国に配送も可。(1)ハーフ(1斤)(2)500円(3)日本橋高島屋店、www.signifiantsignifie.com/
こだわりの生地、甘みとモチモチ感
3月下旬に開業予定の食パンカフェ「ルワンブール」(姫路市岡町)でも販売予定。(1)1斤(2)350円(3)www.les3boules.jp/(生食パンは取り寄せ不可)
バゲット風、ザクッとした食感
材料にこだわり
なめらかな食感
上質な味わい
耳までおいしく
表の見方 数字は選者の評価を点数化。店舗名と本店または本社所在地。(1)購入できる最小単位(2)消費税込み価格(カッコ内は1斤当たり換算)(3)本店以外の主な店舗、店舗情報のURL(http://は省略。記事中のリンクは掲載時のものです)、FAXなど。
■素材の風味を楽しむ
コンビニで人気の高級食パンなどを含めた24品を商品名を伏せて専門家らに試食してもらった結果、上位にはかみ応えがあり、素材の風味が際立っているものが並んだ。
食パンは日本で独自の進化を遂げた。英国やフランスでは小麦粉や塩、水などで生地をつくり、焼き型に蓋をせずに焼くが、日本では生地にバターや砂糖などを加えて型に蓋をして焼く。
食パンだけでも何種類も焼く専門店も増えており、味や食感もさまざま。そこで一般社団法人日本パン技術研究所(東京都江戸川区)の井上好文所長に今回の商品の特徴を焼かない状態で分類してもらった=右図参照。
ランキングに入ったかみ応えのある素朴なタイプは「料理などに合わせたい。生だとシコシコ、焼くとザクザクした食感」(井上さん)という。一方、コンビニなどが扱う高級食パンは甘めでやわらかく白飯代わりに焼かずに食べる人も多い。
余ったら冷蔵せず、1枚ずつラップで包んで冷凍する。ラップを外し、凍ったパンを温めておいたトースターに入れ、短時間で焼けばまたおいしく食べられる。食パンをかえるだけで週末の気分が盛り上がりそうだ。
◇ ◇ ◇
調査の方法 パンに詳しい編集者ら11人に協力してもらい、店舗が複数ある店、通信販売に対応している店、コンビニなどの高級食パンで4人以上が推した24品を集め、商品名を伏せて試食。週末に焼いて食べるのにお薦めの食パンを食味や値ごろ感などを含めて順位付けし選んでもらった。(敬称略、五十音順)
稲垣智子(一般社団法人日本パンコーディネーター協会)▽荻山和也(パン・料理研究家)▽片山智香子(パン屋さんめぐりの会主宰)▽川崎一文(国際製菓専門学校製パン教授)▽君島佐和子(料理通信編集長)▽古賀充(月刊製菓製パン記者)▽清水美穂子(オールアバウトパンガイド)▽瀬戸理恵子(フードライター)▽竹村明子(パンニュース社B&C編集部)▽西祐子(デパチカドットコム主宰)▽松浦亜季(麹町カフェオーナー)
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