巨大IT企業なぜ議論に? GAFA独占、競争阻害も
米巨大IT企業は米マイクロソフトを含めて「FAMGA」とも呼ばれる(各社のアプリ)
「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業のあり方が問題になっているそうね。米国では企業が提訴されたり、規制の強化が検討されたりしているらしいわ。何が議論になっているのかしら。
巨大IT(情報技術)企業の問題について田中暁人編集委員が中村文代さんと大曽根納嘉子さんに説明した。
――IT企業の独占問題のニュースを多く見かけるようになりました。何が起こっているのですか?
ネット検索大手のグーグル、スマートフォン大手のアップル、SNS(交流サイト)大手のフェイスブック、ネット通販大手のアマゾン・ドット・コムの頭文字をとった「GAFA」と呼ばれる米IT大手がとくに問題視されています。各国の競争当局は、少数の企業で市場を支配する「寡占」ではないかという見方を強めています。
背景にあるのは各市場での4社のシェアです。GAFAはデジタル経済の中枢を担うサービスや製品でそれぞれ高いシェアを持っています。こうした事業には、利用者が増えれば増えるほど競争力が高まるという特徴があります。購買・検索履歴など利用者の膨大なデータが少数のIT企業に集中し、寡占を招きやすいとの指摘もあります。
各社がそれぞれの市場で圧倒的なシェアを持ったことで競合する会社が不当に締め出され、ユーザーや顧客企業に不利益が生じていると競争当局は問題視しています。
――具体的にはどのような不利益があるのですか。
米議会下院の委員会が10月、GAFAに関する報告書をまとめました。グーグルに対しては検索結果に自社のサービスを優先的に表示したり、スマホメーカーに検索サービスなどの標準搭載を求めたりして他社を締め出していると指摘しました。フェイスブックはライバルに育ちそうなスタートアップを買収して競争を阻害していると指摘されています。
アップルはスマホなどのアプリ配信サイトで自社製品を優遇しているなどと批判されています。この委員会では、問題を是正するために巨大IT企業の分割を求める意見もあがりました。