異なる習慣、需要つかめず

多くの日本のサービス業は長らく、日本人客を想定した商売を続けてきた。調査では、不満とまではいかない違和感を漏らす外国人の姿も少なくなかった。「不満とまでは言わないし、事情もわかるのだけど」と話すのは30代の中国人女性。「旅館の朝ご飯が早いのがちょっと……。せっかくの休日、昼前までゆっくり寝てブランチで済ませたい外国人は多いんじゃないかしら」

実はこうした感覚のギャップにこそ商機が隠れている。訪日外国人には、日本人の感覚では読み切れない様々な潜在ニーズがあるからだ。

「どちらの服がいいかしら」。試着客に聞かれ、店員がお薦め商品を1つ選ぶ。日本ではなじみの光景だが「相手が旅行客の場合『日本ではこんな商品も人気です』と土産用としてほかにも色々お薦めする」(渋谷109などに出店する若い女性向けアパレル)。すると、1人で10着くらい買ってくれることも珍しくないという。

「日本の店員は丁寧に対応するばかりで、もう一歩外国人のニーズに踏み込めていないことが多い」(インバウンドコンサルティングを手掛けるやまとごころ=東京・新宿=の村山慶輔社長)。外国人の不満を解消するだけでなく、サービスを外国人発想に少し変える工夫もできれば、訪日外国人消費はもっと深掘りできそうだ。

(高倉万紀子)

[日経MJ2014年2月10日掲載]

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