伝えようという気持ちが大切

外国人客に湯葉の刺し身の食べ方を身ぶり手ぶりを交えて教える店員(栃木県日光市の「きしの」)

栃木県日光市の和食店、きしの。「湯葉はこのしょうゆにつけてお召し上がりください」「これは何?」「ワサビといって、これも一緒につけるともっとおいしいですよ」。身ぶり手ぶりも交えて定食の食べ方を説明する店員に、ドイツからきたポーラさん(28)は目を輝かせる。

「ほとんど英語がしゃべれない店員でも、伝えようという思いがあれば何となく通じる。みんな同じ地球人ですから」(岸野房子社長)。同店は外国人のツアーガイドやブログの口コミなどで評判が広がり、今や時期によっては外国人客が日本人客の数を上回る。

「楽しみだった和食だけど、あまりおいしくなかったです」。インバウンドコンサルティングを手掛けるレジャーサービス研究所(東京・渋谷)の斉藤茂一所長のもとにはこんな声がしばしば寄せられる。よく聞いてみると、出てくるのは「卵をとかずに、白身に漬けてすき焼きを食べた」「刺し身にソースをつけた」など衝撃の和食体験。誤解を放置しておけば、今後日本は大きな商機を逃しかねない。

6位の「食事の量が少ない」も、接客次第で解消の余地がありそうだ。「日本には大盛り無料の店も多いのに、外国人にはほとんど伝わっていない。ほんの少しの説明の手間を、日本の店はかけたがらない」(斉藤所長)。外国人スタッフの採用など多言語対応を熱心に進める企業も増えてきているが、その体力があるところばかりではない。語学力はなくても、ちょっとした工夫や気配りで乗り越えられるケースもあるはずだ。

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