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幼少期に過ごしたオランダのDNAが自分の武器になっているという

幼少期に過ごしたオランダのDNAが自分の武器になっているという

業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第2回では、母国オランダで受け継がれる国民性について語ります。

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幼少期はオランダで過ごしたが、8歳で父の仕事の都合で海外に出た。その後もオランダには戻らなかったが、自分自身ではオランダ人らしさを感じるという。

私はオランダ生まれですが、小さいうちに海外に出てしまったので「オランダ育ち」とは言いがたいです。それでもオランダ人の両親に育てられたためか、やはり「オランダ人気質」みたいなものは脈々と受け継いでいると感じています。

オランダは面積がおよそ4万1800平方キロメートル。日本で言えば九州よりも少し大きい程度の小国です。人口も約1700万人とそれほど多くありません。

ただ、多数の国に囲まれているため、多言語を話せる人は多くいます。子どもの頃からいろいろな外国語を自然に耳にしているからです。

実はオランダの人口の22%程度が外国人です。街を歩いていても当たり前のように外国人がいるのがわかります。ダイバーシティー(多様性)への対応力が高いのは当然です。国民の90%以上が英語を普通に話せます。

もう一つはみんなとうまくやっていこうとする精神が強い国です。オランダには政党が10以上あり、政権を取るためには連立を組むのが当たり前になっています。その政権も数年から長くても5~6年で変わります。連立を組むには交渉が必要で、自分の意見が100%通るわけではないため、ギブアンドテークが必要になります。

会社はビジネスを「みんなで協力してやろう」というものです。そもそも世界初の株式会社は17世紀に生まれたオランダの東インド会社です。世界最古の証券取引所もアムステルダムで誕生しました。そう考えるとオランダ人はみんなで共同して何かをやるとか、交渉して何か方針を作るといった能力に優れているのだと思います。

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