presented by 日本能率協会

介護現場で奮闘 本業にもプラス効果[PR]広がる大企業の副業支援

ユニ・チャームでは副業の経験が自社製品の開発にも役立っている

第3回 34人が制度活用、人材育成効果も

働き方改革を積極的に推し進める紙おむつ・生理用品大手のユニ・チャーム。2017年の在宅勤務制度導入に次いで2018年から副業制度の導入に踏み切った。2020年11月までに34人の社員が同制度を活用したが、本業への様々なプラス効果も出てきており、人材育成にもつながってきた。

「副業で社員の能力や人間性が高まるのであれば、妨げるべきではないと思った。働き方改革に関する議論で欠けているのは『残業を減らした時間を何に使うのか』という論点だ。その時間を有効に使い、なんらかの気づきを得てもらいたい」。2018年4月にユニ・チャームが副業を解禁するのにあたり、高原豪久社長はその狙いについて日本経済新聞のインタビューにこう語った。

実際、副業を通じて新たな「気づき」を得た社員も少なくない。介護用紙おむつの商品開発を担当する男性社員もその1人だ。介護施設で副業を行った。月に6~7日、勤務後や週末に介護施設で就業、掃除から食事や排せつの補助まで担った。

それまで開発者としての悩みがあった。テスト品の効果検証を実施するため、介護施設の協力を得て、適宜モニターテストを行っていた。「正確に検証したい」と思うあまり、介護現場の事情を理解せず、無理なお願いをして、結果的に迷惑をかけてしまうこともあったという。

しかし、介護施設で副業を始めて視点が変わった。「介護のことではなく、紙おむつというモノのことしか考えられていなかったことに気づいた」と話す。副業の経験を経て以前より使用者目線で考えられるようになったという。高齢者が食事したり、排せつしたりするのはカラダに大きな負担がかかる。それを補助する介護者の身体的、精神的な負担も並大抵なモノではない。よろけて倒れれば、骨折したり、寝たきりになったりするリスクもある。

介護現場の副業を経験することで、排せつ介護だけではなく介護全体をイメージして商品開発を進められるようになった。何か疑問や仮説が浮かんだ場合は、親しくなった副業先の関係者に相談し、素早くフィードバッグも得られる。いい意味で遠慮もなくなり、本音を聞き出しやすい。介護施設へのモニターテストでも「ここまでならお願いしてもいいだろう」とさじ加減が分かり、相手側に迷惑をかける懸念もなくなった。副業が本業の商品開発にもプラスとなっていきそうだ。

今後、ユニ・チャームでは「人生100年時代を迎える中、パラレルキャリアを築くことが重要になっている。ミドルやシニア、定年を控えた社員には生涯意欲を持って働き続けられるような副業プラットフォームも選択肢として活用できる機会を用意し、周知したい」(グローバル人事総務本部)という。

働き方改革を推し進めるユニ・チャーム。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、業績も好調だ。2020年1~9月期の売上高は5344億円と前年同期で2%増え過去最高を更新。本業のもうけを示すコア営業利益は891億円と同30%増となった。今後も人材の活性化や育成を図り、日用品のグローバル企業として成長してゆきそうだ。

第2回 「社員にも会社にもプラスになる制度」

ユニ・チャームの副業制度は、キャリア形成の選択肢の1つと位置づけられている

2018年に副業制度を導入した紙おむつ・生理用品大手のユニ・チャーム。「長時間労働につながる」、「本業がおろそかになる」などの理由で国内の企業全体では副業制度の導入率は、リクルートキャリアが2020年3月に公表した調査データによると3割台にとどまっている。ユニ・チャームはどんな目的で導入し、どのように制度を設計し、運用しているのか。

「何のために副業を解禁するのか。導入する目的と実現したい姿を明確にする必要がある。世の中が変わったから、政府が後押しするから導入するというのでは意味がない。社員にも会社にもプラスになる制度になることを留意して制度設計を考えた」。ユニ・チャームのグローバル人事総務本部の副業担当者はこうコメントする。

同社では社員の明確なキャリア形成や本業へのプラスになる形での副業を認めており、2020年11月までに34人が同制度を活用している。ただその範囲は広く、ブログ記事の執筆などネット対応のほか、地方創生の活動、セミナー講師や講演活動、学会・研究会での報告・投稿など社会的に意義のある活動も実際に認めている。もちろん同業他社や風俗関連などでの副業は厳禁だ。

一方で、「社員から『強制的』、『早期退職の勧奨』などと誤解されないように、あくまでも個人の内発的な動機づけに基づくキャリア形成の選択肢の1つであることを理解してもらえるように気をつけた」(グローバル人事総務本部)という。

対象は正社員と契約社員。ただし、新卒入社3年目以下、中途入社1年目以下は本業でのスキル獲得を優先させるため認めていない。副業の時間は就業時間外と休日のみの利用として、24時以降の勤務は平日、休日は問わず禁止。健康管理の観点から長時間労働につなげないようにした。

副業を申請しやすいように会社の認可制ではなく、届出制としているのも特徴だ。面談などで上司に意思表示をして、「問題なし」となれば、人事部門に関係書類を提出するという仕組みだ。同社は副業制度を導入して2年あまりが経過したが、「現在のところ大きな問題は生じていない」(グローバル人事総務本部)という。

赤ちゃん用紙おむつのマーケティング担当の古賀百合絵さんも、その代表例。本業と、ホテルの運営支援という副業で多忙な日々を過ごしているが、自らの成長も実感している。「副業時間の創出のため、本業をより効率的に進めるようになった。経理や人事・採用などの知識も深まり、担当の紙おむつ事業の収益全体などを経営者目線で考えられるになった」と古賀さんは話す。ビジネスパーソンとして着実にキャリアアップしているようだ。ユニ・チャームの副業制度はジワジワと浸透し、新たな人材育成につながっている。

第1回 ベンチャー企業の役員も兼任

東京と地方を行き来しながら活躍する古賀さん(写真:馮 意欣)

副業を解禁する大企業が相次いでいる。紙おむつ・生理用品大手のユニ・チャームは2018年から副業制度を導入、人材の活性化や育成につなげている。「本業がおろそかになる」などと導入に後ろ向きの大企業も少なくないが、同社では本業と副業をうまくシェアして、地域経済を支援する二刀流の社員も出始めている。

「瀬戸内海の島や長崎の五島列島、大阪などでホテル事業のマーケティングを支援している。今年は新型コロナウイルス感染が拡大するなか、在宅勤務制度も活用して東京と地方を行ったり来たりしています」。ユニ・チャームで赤ちゃん用紙おむつのマーケティングを担当する古賀百合絵さんは明るくこう話す。

もちろんユニ・チャームがホテル事業を手掛けているわけではない。2018年4月の副業制度導入に合わせて古賀さんは本格的に副業に取り組み、実はホテル運営の「Noum(ノウム)」というベンチャー企業の役員も兼任しているのだ。ホテル側から「助かる」と高く評価されている。

2012年に古賀さんはユニ・チャームに入社、営業を経験してマーケティング部門に配属された。社長賞も受賞するなど社内の評価も高いが、「本格的なマーケティングのプロになりたい。紙おむつのような短期サイクルの消費財だけではなく、ホテルのような長期型の商材にも挑みたい」と副業に踏み切り、4~5社のホテル関連企業と組んでダブルワークを実施している。

業務内容は多岐にわたり、かなり高度だ。各ホテル事業運営者と協議し、立地場所に応じて、各地のリサーチを行い、コンセプトなどの戦略を策定。開業に至るまでのブランド戦略を推し進め、PR関連のサイトなども構築する。開業後はホテルの平均客室単価や稼働率などのデータを確認しながら、マーケティング戦略を練り直す。実際にノウムでは2019年夏に大阪市内で客室50室のホテルを開業。新感覚のコンセプト型ホテルとして話題を呼んだ。

そこに新型コロナが来襲。古賀さんは「激動の1年だった。キャンセルが相次いで、胃の痛くなる日々が続いた。訪日客が期待できなくなったので、海外から国内にターゲットを変更するなど戦略も見直した」と話す。

しかも古賀さんは瀬戸内海に浮かぶ生口島(広島県尾道市)でも新タイプの旅館や地元商店街の活性化プロジェクト、長崎県の五島列島ではワーケーションをにらんだ中長期滞在型ホテルと、それぞれの企画・開発支援に携わっている。生口島には耕三寺という有名な寺院があり、瀬戸内海の一大観光地となっている。地元の雰囲気にマッチした旅館や街づくりを支援している。

もちろん本業も手を抜いているわけではない。むしろコロナ禍の中で、マーケティング担当者としても多忙を極めた。「赤ちゃん用の紙おむつの場合、使用頻度など全体のニーズに変わりはない。しかし、ママやパパの行動様式が変化した。在宅時間が長くなり、まとめ買いの傾向が強くなったので、SNS対応を強化するなどデジタル広告の出稿量を増やして効果を上げた」という。コロナ禍でオーバーワーク気味となったが、通常は本業に週あたり約40時間、副業に約20時間を充て、収入もその応分の額があるという。「ユニ・チャームの二刀流女子」として、社内でもホテル業界でも注目の存在となっている。

「NEW ACTION」プロジェクトでは、副業や兼業、地方での活躍など、個人が輝き続けるための様々な“新しい働き方”について議論するオンライントークセッションを2021年1月20日に開催!

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