※日経エンタテインメント! 2020年12月号の記事を再構成

日経エンタテインメント!と日経クロストレンドが調査した「SNSタレントパワーランキング」。ツイッターでは、「ZOZO」創業者で実業家の前澤友作氏が日本人初のフォロワー数1000万人を達成。タレントでは松本人志が昨年より100万人以上増やして日本人タレントのトップに躍り出た。この2人にBTSを加えた3強が、フォロワー数と、1投稿あたりのリツイート数などを示す平均リアクション数でトップ3を占めた。

拡散力が大きいツイッターで、もっとも影響力のあるタレントは?
拡散力が大きいツイッターで、もっとも影響力のあるタレントは?

 Twitter(ツイッター)が、2008年に日本語に対応してから10年以上が経った。インスタグラムやTikTokなど新たなSNSが登場するなかで、サービスとしての目新しさにはやや欠けるが、コロナ禍においてその利用状況は好調だ。ツイッター社の7月23日の発表によると、全世界対象の数字ではあるが、2020年第二・四半期における1日当たりの平均アクティブユーザー数は、前年同期比34%増の1億8600万人で、利用者数の伸びで過去最高を記録したという。

フォロワー数は増加傾向

 今やユーザーにとっては日常生活の一部として定着した感のあるツイッターにおいて、最もフォロワーを有するのは誰か。今回の調査で1位となったのは、インターネット衣料品通販ZOZO創業者の前澤友作氏で、その数は1059万5340人。日本人アカウントで初の1000万人突破という快挙を達成した。フォロワー数を伸ばした要因は「お金配り」だ。2019年1月、フォロワー100人に100万円を配る「お年玉」企画が話題を集めたが、今年は1月にお年玉企画、5月「ひとり親応援基金」、6月「カップル応援基金」と乱発(※)。企画が始まるとフォロワーが増え、終了すると減少する乱高下を繰り返したが、8月から「毎日お金配り」企画をスタートすると同月29日に1000万人の大台に到達した。

※5月、6月はフォロワー以外も応募可能だった

 2位は、K-POPグループ・BTSの日本語版オフィシャルアカウントで859万人のフォロワーを擁する。ちなみに、メンバーが自ら投稿するアカウント「@BTS-twt」のフォロワー数は約3007万人、韓国語や英語で公式情報を発信する「@bts-bighit」は約2462万人。世界を舞台に活躍する彼らの、桁違いの人気ぶりが分かる。

 日本人の芸能人でトップに立ったのは、794万7791人がフォローするダウンタウンの松本人志だ。今回4位の有吉弘行が長らく1位をキープしていたが、今年4月13日に松本が抜き去った。この日の松本は、相方・浜田雅功がウェディングドレスに身を包んだ写真に「可愛いなぁ」とコメントをつけてツイート。翌日には「やっぱりブスやな」といじったが、コンビ愛を感じさせる投稿をした日にフォロワー数のトップに立ったのは微笑ましい。

 編集部では19年6月末にも同様の調査を行ったが、その時点での松本のフォロワー数は約669万人。1年3カ月で125万人も増やしたことになる。さらに松本に抜かれた有吉も、昨年6月末と比べると36万人以上増加している。ツイッターが、決してダウントレンドであるわけではないことが分かるだろう。

ランキング上位の面々もフォロワーを増やしている
ランキング上位の面々もフォロワーを増やしている

 フォロワー数ランキングのトップ30に入った芸能人の多くが数を伸ばしているが、目を引くのが橋本環奈(フォロワー数ランキング11位)、菅田将暉(同13位)、指原莉乃(同15位)の3人。橋本環奈は昨年に比べて約128万人増え、増加数は松本を上回る。菅田と指原も増加数は50万人を超えている。3人に共通するのは、言葉選びのセンスとタイムリーな話題の投稿だ。

 若手女優ではインスタグラムをメインで活用する例が多い。橋本もインスタグラムのアカウントを持つが、これは彼女の担当マネジャーとの共同名義。一方、ツイッターは自身の言葉での発信が多く見られる。例えば、出演したバラエティ番組が放送されると、「橋本環奈笑い声うるさいな、、、ぱおん 客観的に見るのと自分が話してる時に聴こえてくる声って違うな~ 知恵袋さんに可愛く笑う方法聞いてみようかな~嬉し泣き」(原文ママ)と、自身にツッコミを入れるツイート。この投稿には10万以上の「いいね」がつくなど、放送を見たファンとの間にリアルタイム性のある交流が生まれた。

 菅田は、仲の良い俳優やミュージシャンとのエピソードや趣味に関する話題など、プライベートが垣間見られる内容をツイート。指原も好きなアイドルといった趣味の話から、時には政治や社会情勢に関する時事ネタまで臆することなく発言。その内容がネットニュースに取り上げられるなど、存在感を年々強めている。

NIKKEI STYLE

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