2014/2/12

耳寄りな話題

米国在住の日本人女性、麻世マルティネスさんは、「ボストンに住んでいる友人の米国人は、真冬でも半袖で車を運転しています。確かに車内は暖房が利いているので暖かいのですが、ちょっと車を止めて離れるときも、その友人は半袖のまま車の外に出ます。ボストンの冬はものすごく寒いのに、私には信じられません」と話す。

「平熱の違い」説の真偽

大手航空会社の機長は「上空はかなり冷えるのですが、白人のお客様は、やはり半袖短パンでご搭乗する方も多く、機内では温度をもっと下げてほしいというキャビンアテンダントへの要望があるようですね」。

なぜ欧米人は寒さに強いのか。「欧米の白人は平熱(基礎体温)が日本人に比べて高いから」という説がある。運動すると体が温まって真冬でもしばらくは薄着でも平気なように、体温が高ければ寒さにも強い。欧米人が寒さに強いのは、平熱が高いからだというわけだ。

ところが、いくら取材したり調べたりしても、欧米人の平熱が日本人のそれより高いことを示す科学的データは見つからない。

日本人の平熱として最もよく引用される値は、36.8度。これは、1957年に東京大学の田坂定孝教授らが3千人余りの日本人の体温を測って導き出した平均値だ。体温計で有名なテルモに聞くと、同社が日本人の平熱を独自に調べたことはなく、現在も田坂教授のデータを参照しているという。

一方、欧米人の平熱として一般的に引用される値は37.0度。これは19世紀にドイツ人の医師が調査し発表したもの。その後、米国の著名な医学雑誌The Journal of the American Medical Associationに掲載された論文では、平熱の平均値は、ドイツ人の医師が調査した値より若干低い数値になっている。

つまり、日本人と欧米人の平熱はほとんど変わらないということになる。仮にそうだとすると、体感温度の違いはどこからくるのか。

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日本人の体温低下でギャップ拡大か