デビュー40周年で記念レコード 憧れの音楽家に依頼バンダイナムコアーツ 副社長 井上俊次氏(22)

宝物のデイヴィッド・フォスター氏との写真(左の写真は1987年の来日時に、右は2016年にサンタモニカで撮影)
宝物のデイヴィッド・フォスター氏との写真(左の写真は1987年の来日時に、右は2016年にサンタモニカで撮影)

市場規模が膨らんだ「アニメソング(アニソン)」ビジネスの立役者の一人がバンダイナムコアーツの井上俊次副社長です。1970年代にロックバンド「レイジー」で一世を風靡しました。井上氏の「仕事人秘録」の第22回では、デビュー40周年の記念レコードづくりを振り返ります。

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2017年にデビュー40周年を迎える影山ヒロノブ氏と記念アルバムの制作を始めた。

景山(影山ヒロノブ)君は不思議な人で、あれがしたい、これがしたいとは言わない。昔からそうで、2人で食事に出かけると間が持ちません。

その景山君に「40周年アルバムでかなえたい夢はない?」と聞いたら「デイヴィッド・フォスターに参加してもらえたら最高やな」と。「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」でぼくらの音楽に多大な影響を与えたミュージシャン。1987年の来日時に撮ってもらった写真は肌身離さず持ち歩く宝物です。

当初は「無理かもなぁ」と思いました。でも20年前、ろくに英語も話せないくせにAORへの憧れからアニメ「機動新世紀ガンダムX」の主題歌をロサンゼルスで収録。その当時、お世話になった方がデイヴィッド・フォスター氏につながる人脈を持っていたのです。まさに奇跡でした。

彼への思いをしたためた景山君の手紙が功を奏したのでしょう。景山君が作曲したデモ音源を送ると、本人がその曲をアレンジしている様子が動画で送られてきました。「これは夢じゃなくて現実だ!」と身震いしました。景山君は英語の作詞に挑戦。通っていた英会話の先生が監修役です。

レコーディングはサンタモニカのスタジオ。現れた彼はフランクに接してくれて驚きました。機械で音程を直さない昔ながらのやり方。ピッチや英語の発音にもこだわり、景山君に何度も歌い直しを指示していました。10歳近く年上の彼の音作りへの情熱に感動。こうしてアルバム「A.O.R」は完成しました。

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