検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

地域課題に挑む大学生へ 先輩起業家からのアドバイス

日経ソーシャルビジネスコンテスト

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日本経済新聞社が様々な社会課題を解決するビジネスアイデアを表彰する「日経ソーシャルビジネスコンテスト」の学生向けミートアップイベントが8月下旬、オンライン上で開かれた。地域課題に取り組む大学生らが登壇、先輩起業家からアドバイスを受けた。

ミートアップへの参加者は、大学生が広島大学1年の福島大悟さん(第3回日経ソーシャルビジネスコンテスト学生部門賞受賞)、立命館大学4年の高島千聖さん、青山学院大学4年の上田沙耶さんの3人。学生たちからの質問を受けるメンター役として、コミュニティナースカンパニーの代表取締役、矢田明子さん。進行役は横田アソシエイツ代表取締役の横田浩一さん。

看護師でもある矢田さんのコミュニティナースカンパニーは、島根県雲南市を拠点に全国展開しており、地域発ソーシャルビジネスのお手本のような存在。「街中で誰もがナースのように健康をサポートできるように」(矢田さん)というコンセプトを掲げ、個人への研修や自治体・企業へのアドバイザリー事業などを行っている。ミートアップは自己紹介の後、大学生らの悩みに矢田さんが答えるという流れで進んだ。

福島 広島大学総合科学部1年の福島大悟です。現在、瀬戸内海にある広島県大崎下島の久比地区に住んでいます。人口は約460人、高齢化率は約70%です。高校生のときから過疎や高齢化の問題に向き合ってきたのですが、過疎化が進むのは、物事をすべてお金で解決しようとするような社会になってしまったからではないかと気づき、お金ではなくて、地域を「ありがとう」だけで回してみようと思いました。そこで立ち上げたのが感謝の意を表す「まめな手形」を島内で流通させて、地域のつながりを再構築するプロジェクトです。久比は本当に物々交換で集落の中を野菜や肉、魚が回っているようなところなんです。

それから久比は、訪問看護のベンチャー企業や酒造りのベンチャー企業、僕ら広島大学の学生がどんどん入ってきているんですが、外部の人が物々交換のコミュニティの中に入るのは時間がかかるものなので、まめな手形を使うことで、地域のおじいちゃんおばあちゃんたちとのやり取りのハードルを下げていこうかなと考えています。

高島 立命館大学文学部の地域観光学専攻4回生の高島千聖です。1回生のときから京都北部の伊根町という地域の活性化に携わる学生団体「オランアース」に所属し、2年目で代表を務めました。

伊根町は京都北部の海沿いの小さな町です。人口は約2000人で、高齢化率は約40%。舟屋という有名な観光地があるのですが、わたしたちが活動しているのは田んぼと海と山に囲まれている本庄地区というところです。

ブリやイカなどの海の幸だけでなく、京野菜や鶏卵、日本酒も有名です。地元愛が強いところで、学生が何かやりたいと言うといつも快く協力してくださいます。コロナで地域に足を運びにくくなったというのもあって、ECサイトで伊根のこだわり食材の販路拡大という新たなプロジェクトを始めようと動いています。

上田 青山学院大学の経営学部4年生の上田沙耶と申します。愛媛県伊予市の双海町にいます。地域おこし協力隊の制度を使って、大学生を続けながらこちらに引っ越してきました。双海には祖父母の家があって、レストランもやっています。人も景色も本当にすてきな場所なのに次の時代に続かないというのはすごく嫌だなと思って、地方創生に関係する本を読みあさりました。色々と妄想も膨らんで、やりたいことは双海にあるとわかったので、普通に就職するのはやめてこちらに来ました。

今は「双海町が贈るご褒美の晩酌」ということで鱧(はも)やタイ、じゃこ天とか、恋しぐれという地元のパン屋さんが作っているお菓子とかをEC販売しています。双海の良さを知ってもらうための小冊子も送っています。「おうちソクたび」という旅のサイトを運営する会社とコラボして、ライブ中継で旅をしている感覚を味わってもらったりとかもしています。いつも発送業務に追われています。

地域で活動する学生が抱える様々な悩み

福島 地域でやっている中での悩みというのは、最初は地域の人は興味本位で僕らの活動を見に来てくれるんですけど、いざ自分がやるという段になると、「じゃあわしはいいわ」という感じで一歩引かれちゃうんです。パソコンを持っていったら逃げられちゃう感じです。

矢田 こういうのは本当に1日にしてならずなので、誠実にリターンを積み重ねるというのが一つの答えだと思うんです。それと、私も地域の活動をやってきて思うのは、人間の集団の中にはいろんな行動様式があるってことです。全員が「パソコン見たい見たい」というおじいちゃんおばあちゃんだったら、それはそれでびびらない? ちょっと抵抗感があって嫌という人もいれば、OKという人もいたり、違いがあるから社会とか集落は成り立っているんですよね。一つ一つ誠実にやっていけば、3年後には変わっていたりすると思います。まあ、ピュアな鈍感力みたいなものって才能の1つだと思うので、そのまま行けばいいと思いますね。あまりくよくよ気にせずに。

高島 私の場合は地域の課題というよりは、地域で学生が活動し続けることに対する課題です。ビジネスモデルを構築して、資金調達の仕組みというのを作って、これから活動を継続させていこうとしている段階なんですけど、仕組みを作ったとしても、それを継続して回していく人材というか、学生が必要で、あとはそれの顧客となってくれる人が必要じゃないですか。学生を継続して巻き込んでいく、人を巻き込む秘訣みたいなことだったりとか、もう一つは学生という立場で信頼されて顧客を得るというところのポイントみたいなものがあったら教えてほしいと思います。

矢田 まず後者から回答します。いまうちのビジネスの中にも学生が立ち上げているものがあるんだけど、学生が立ち上げていますみたいなキャッチコピーは、まったく使っていません。商品やサービスが最高にいいものになっていれば、学生だとかどうだとか、立場はあまり関係ないですよね。それが本当に喜ばれるもので、本当に価値があるものであれば問題ないと思います。

それと、一つ目のほうですけど、私も自分の現場に結構学生さんに入ってもらっていますが、基本は学生がいなくてもビジネスが回る仕組みにしています。資金調達や受注から発送までのオペレーションにかかるところまでは、基本はビジネスのメンバーで固め切っているのね。あくせくして資金調達もやってあれもこれも、あれもこれもみたいなことを期待しちゃうと、学生らしい楽しそうな感じがちょっと減っちゃうので。

横田 私も同じようなことをやっているんだけど、やっぱりどうしても、高島さんはすごく優秀だと思うんだけど、大学1年生にいきなりビジネスモデルを考えろと言っても、なかなかそんなにできる子はいないから、楽しいというところから入らないと続かないので、ちょっとそこらへんは、いつでもまた相談ください。

上田 私も課題が盛りだくさんです。業者さんと付き合うのがすごく難しいです。やっぱりビジネスとなると友だち同士とは全然違うんだなって改めて感じます。それに、やりたいことをバンバンやっていくというよりは、1つのことをちゃんと事業にしていかないとダメだとは思うのですが、選択と集中が難しいです。結局自分の毎日の仕事がECのオペレーションに追われてしまって、全然やりたい企画ができていなかったりとか、これからどうあんばいしていいのか。

矢田 私も、何かやりたいことはいっぱいあるんだけど、ひとつずつやりきっていく派です。商品やサービスの単価をきちんと上げて、受注が入るようにしてから次に着手するようにしています。まず売れる、そして単価も上がる、だから人も雇ってあげられる、結果として私じゃなくても回せるようになっていく、だから次のものに気持ちよく自分も着手できる、という流れが大切なんです。

「やりたい」というのと「実現したい」というのは違って、私は実現したい。中途半端に30点までやるのではなく、1個ちゃんと85点とか90点までやりきって形にしたという経験を持っていると強いです。やり切るという体験は結構大事だと思うよ。転用できるからね。いろいろな事業に。

横田 ありがとうございます。今日は学生に参加していただきましたが、オンライン授業を活用して地域でも活躍しているという、最先端だよね。今まではなかなか踏み切れなかったと思うんだけど、オンライン授業のいい点をフル活用して、体験して、それを自分のものにしているというのは、すごいなと思っていて、まずそこから得られるものをぜひ皆さんにシェアしていただきたいと思っていますし、これから働き方も生き方も変わっていくので、いろいろな情報発信をぜひしていってほしいと思います。ありがとうございました。

(文・構成 桜井陽)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
画面例: 日経電子版 紙面ビューアのハイライト機能
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_