働き方・学び方

僕たちはどう働くか

僕らがセーフティーネット・クリエイターになるんだ NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹(8)

2013/12/25

今回が最終回ということで、お別れの気持ちを込めて語ります。

今、日本は年間3万人という自殺者を抱えています。誰にも気づかれずに亡くなっていく「無縁死」も年間3万人以上といわれています。2つ合わせると関ケ原の戦いよりも、東日本大震災よりも多くの人が犠牲になっています。毎年、毎月、毎時間。そう、こうしている間にも。

駒崎弘樹(こまざき・ひろき) 1979年東京都生まれ。99年慶応義塾大学総合政策学部入学。在学中よりITベンチャー経営に携わる。卒業後フローレンスをスタート、日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスとして展開。13年4月に内閣府「子ども・子育て会議」委員に就任。 一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

個人が丸裸で放り投げられるイガイガした社会に、僕らはどのように相対して生きればいいのでしょうか。

すっごく大きなテーマだけども、それでも身近なところからやれることはあるはず。

■SNSだってセーフティーネットになりうる

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、無料通話・チャットアプリの「LINE(ライン)」が流行していますが、LINEを使った犯罪などもあり、問題視する大人も結構います。

しかし、テクノロジーは常に両義的なものです。当たり前ですが、いいこともたくさんある。例えばフェイスブック上であれば、遠隔地にいてお見舞いにいけない病気の友人にすぐ声をかけることができます。

最近僕が一番驚いたのは、ツイッター上で話題になった、起業家・家入一真さんによる「クラウド出産ファンディング」です。

フォロワーだった一般女性が家入さんに「出産を控えて借金が35万円ある。借金ゼロで出産を迎えるために35万円貸してください」とツイートし、家入さんが「それなら口座番号をさらしたら」とアドバイス。彼女はメッセージとともに口座番号を公開し、それを家入さんが広め、ネット上の個人が彼女に寄付をした――という事象です。

出産資金をネット上で募ることの賛否はともかくとして、僕は半ば信じられないと思いながらもこの現象を興味深く見ていました。NPO法人などもすっ飛ばして個人対個人での寄付、というものが実現したことに驚いたのです。

もちろん、詐欺や犯罪の可能性も否定できないし、このこと自体は一部のとがった人たちがやったことで、誰もが同様のことができるわけでもないとは思います。ただ、一つのパラダイムシフトの予感は漂わせているのではないか、と感じました。

例えば、メールに電子通貨を添付できるようになれば、「この前借りた金、今添付して返すわ」みたいなコミュニケーションは生まれるでしょう。同様に、LINEで電子的に送金できれば、出産祝いをスタンプと共に振り込むでしょうし、Facebookで子育てサークルの会費を徴収することだって普通になる。

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