アニメ声優の歌を後押し メディアミックスの出発点にバンダイナムコアーツ 副社長 井上俊次氏(16)

後にキングレコードの専務になるアニメプロデューサーの大月俊倫氏と出会った。

メディアワークス(現KADOKAWA)さんのメディアミックス作品「シスター・プリンセス」でゲーム版の音楽制作を狙いました。交渉のため、アニメの音楽制作に決まっていたキングレコードに大月俊倫さんをたずねました。

「そうか、君がランティスか」。初対面でいきなりすごまれました。同世代ですが、迫力がすごくて。

ビクビクしながら「ゲームだけでも任せてください」と切り出すと、「井上さんね、アニメにどれだけお金かかるかわかってる?」と大月さん。さらに「アニメに投資したらゲームの音楽までやらないと、こっちは回収できない」と。最後に「でも、いいよ。良い曲を作ってください」とOKが出ました。それが大月さんとの出会いです。

02年、漫画「あずまんが大王」のアニメ化で製作委員会への参加を決めました。金額は数千万円。創業間もないベンチャー企業ですから、「命がけ」の出資でした。

版権元のメディアワークスさんはランティスと組むつもりはなかったようで、実は大月さんの計らいがありました。「この作品はランティスじゃないとできない」と、ランティスの出資を認めてくれました。「面白い音楽をつくる人たち」。大月さんはランティスにこのような印象を抱いていたそうです。南の島に移住された今も、お付き合いは続いています。

「あずまんが大王」はほのぼのとした日常生活を描く「日常系」アニメの先駆けになりました。深夜アニメの注目度は上がり、ラジオではアニメ関連の番組が増えました。その頃には、現在取締役の桜井優香さんも加わり、ランティスの仲間も増えていきました。

何かがはじける夜明け前。そんな雰囲気がありました。

[日経産業新聞 2018年8月9日付]

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