創業者・池森氏去り、たくましく「変わって」生き残るファンケル 島田和幸社長

――池森会長が退任し、オーナー会社の強みが失われることはありませんか。

「商品の特徴と技術力、そして顧客とのつながりというファンケルの強みを、オーナー企業であろうとなかろうと貫き通せるかにかかっています。後は人材にたくましさがあるか。これが会社の存続に大きく関わってくると思っています」

「経営について池森さんも細かいことは言いませんでしたが、大株主たる池森さんがいることの安心感は絶大ですよ。その安心感のもとで経営陣はずっと経営をやってきましたが、これからはそうはいきません。パラダイムシフトにあたって、我々が変われるかどうか。そのたくましさを発揮できるかが大事だと思って今、口を酸っぱくして役員に言っています」

――筆頭株主がキリンになったということは大きな変化ですね。

「大株主としてのキリンホールディングスは良い会社です。ただ(創業者が主要な株主である状況とは)違いがあります。その現実の中で我々が力をいかに発揮できるかです。キリンとはすでに取り組んでいる通販など販売チャネルの相互活用に加えて、当社のサプリメントの開発力を提供して商品面でも協力を進めます。今秋にも商品を上市する予定で、本格的なシナジーの創出となります」

(聞き手は日経MJ編集長 鈴木哲也)

島田和幸
1979年同志社大法卒、ダイエー入社。93年から創業者の中内功氏の秘書を務める。2001年マルエツ入社。ダイエーでともに秘書を務めたファンケル前社長の宮島和美氏の誘いを受けて、03年ファンケル入社。07年取締役。17年4月から現職。広島県出身。64歳。
■ECなど支え、業績底堅く
ファンケルは2013年、創業者の池森賢二氏が経営に復帰し、改革を進めたことで業績がV字回復した経緯がある。14年に化粧品にかかる消費税が免税となったことも追い風となった。防腐剤などを使わない無添加化粧品が、中国人消費者らに支持された。連結営業利益は16年3月期の12億円から、20年3月期には141億円と10倍強に膨らんだ。
コロナの影響で、商業施設が相次ぎ休業した化粧品業界は苦しい状況にある。ファンケルは栄養補助食品という柱もあり、自社EC(電子商取引)など国内通信販売の比率が約4割と高いことも強みだ。逆風下の今期も営業増益を見込んでいる。(下川真理恵)

[日経MJ2020年6月8日付]

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