創業者・池森氏去り、たくましく「変わって」生き残るファンケル 島田和幸社長

――一定の売り上げは確保していきたいということですね。しかし、NB(ナショナルブランド)を販売するメーカーにとって、PBはもろ刃の剣でもあります。神経を使いませんか。

「その通りですね。平常時ならメリットとデメリットの比較など様々に考え込んでしまいがちですが、あらゆるものがチャンスだととらえられる今だからこそ進めようという感じですね。過去も販路を広げる際にはブランディング上どうなのかというような議論は社内にありました。ただしこれまでの経験からも、良い製品をお客様に届けるため、国内で面を広げていくことは重要なことだと改めて思っています」

顧客とつながりSNSフル活用

――今回のコロナ禍を契機に、店員が顧客の近くでカウンセリングをする化粧品の販売手法が変わるとの見方もあります。

「例えば、従来のように化粧品をお客様の肌につけて差し上げるようなことはしばらくは難しいでしょう。当社も以前からタブレットを使ったメイクシミュレーターのようなサービスをしてきましたが、当面はそうしたものが広がるでしょう。ただスタッフとの会話を楽しむ顧客も多くいます。店舗でのコミュニケーションの重要性はあまり変わらないと思います」

「一方で、店舗のような顧客とのつながりや生々しさをネット通販でも実現することが、今後の課題です。SNSやデジタル技術をフル活用していきます」

――コロナが終息すれば、訪日中国人の消費は勢いをとりもどしますか。

「来日して当社の商品を購入してきたのは、中国沿海部に住む30歳前後の女性が多いです。消費意欲や安心安全への意識は今後も強いでしょう。日本に旅行に行って買い物をしたいというニーズは持続します」

――売上高海外比率を現状の約8%から、30年度には25%にするとの目標を掲げてきました。海外での販売比率を高めていこうとする矢先にコロナの感染が拡大しました。

「幸い19年度も、中国でのサプリメントの越境EC(電子商取引)販売は大きく伸びました。そして、中国でビタミン、ミネラルについて『保健食品』として届出の申請手続きを行っており、今年中に現地のECで売っていきます」

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