パナが1位 スムージー作りに向くミキサーベスト10
朝食代わりにスムージー――。生野菜や果物、水をミキサーにかけ、食物繊維や果肉を丸ごととれるようにしたスムージーが女性を中心に広がりつつある。調査会社GfKジャパン(東京都中野区)によれば、今年上半期のミキサーの販売台数は前年同期比18%増で、家電量販店の売り場をにぎわしている。扱いやすく洗浄など手入れもしやすいミキサーを女性の専門家に選んでもらった。
浮いた葉ものもきれいに混ざる
材料によって硬いものは高速、柔らかいものは低速と回転速度を切り替えられる。カッター着脱ホルダーを使うと、ワンタッチでコップから刃の部分を安全に取り外せて手軽に洗える。「キッチンに置いたままにできる優れたデザインや価格とのバランスを見ても総合的にお薦め」(阿部夏子さん)(1)1リットル(2)1万回(3)ミルやお茶ミル(4)1万円前後(5)0120・878・365
変色防ぎ泡立ちも少なく
付属のジュースボトルを真空状態にしてジュースを保存できる機能もある。すぐに飲まないと変色してしまうという手作りジュースの欠点を補い、他社の製品とは一線を画した独自性を発揮している。
「真空にする時の動作音が響くものの、素材の味が生きたジュースを作れる」(鈴木麻里子さん)ほか、「出来上がるまで時間はかかるが、真空操作のボタンを押せば自動で完成するのでほかの用事をしながら作れる点が楽」(戸井田園子さん)という。(1)780ミリリットル(2)9700回(3)ジュースボトル(4)2万5000円前後(5)03・5719・2094
コードは本体に収納
「ジュースの仕上がりも良く、価格と性能がマッチしている」(奈良優子さん)「掃除機のようにコードを本体に収納できるのが良い」(池上正子さん)(1)700ミリリットル(2)約1万2000回(3)ミル、お茶ミル(4)5000円前後(5)0570・011・101
アボカドのタネも粉々に
全体のサイズは大きいが、材料を入れるカップ部分は軽く持ち運びやすい。「仕上がりのクリーミーさはどのミキサーもかなわない」(鈴木あさみさん)「高価なのでこだわり派に」(鈴木麻里子さん)(1)2リットル(2)約3万7000回※(3)専用の押し棒(4)7万9800円(5)03・5368・1800(アントレックス)
高い粉砕力で本格スムージー
「粉砕力があり、硬い素材を使ったスムージーを作れる」(関口絢子さん)。クリーニング機能が刃の部分の洗浄を手助けする。(1)1.2リットル(2)約1万4000回(3)押し棒(4)3万円前後(5)03・3847・8496
高い安全性
1934年創業のモーターメーカーが作ったミキサー。一人用サイズで小型ながら粉砕力は高く、氷も使える。「部品が少なくコンパクトだがパワーがあり、使いやすい」(松尾みゆきさん)(1)400ミリリットル(2)約1万9000回※(3)ボトル、飲用容器の蓋(4)1万円前後(5)0570・014・958
本体の色合いがカラフルな一人用ミキサー。ジュースを作った容器をボトルとしてそのまま持ち歩ける。「材料を細かく切る必要がある。価格が手ごろ」(池上さん)(1)400ミリリットル(2)2万3500回※(3)飲用容器用の蓋など(4)3980円(5)03・6758・2074(mhエンタープライズ)
電気シェーバーで有名な独メーカーのハンディ型ミキサー。器具を付け替えることで何役にも使える。(1)-(2)-(3)泡立て器ワイヤー、フードプロセッサー用ボール、スライサー(4)1万5000円前後(5)0120・998・879
英国の家電メーカーのミキサー。刃を本体から外して洗えるほか、ダイヤルで回転スピードを13段階に細かく調整できる。(1)1.5リットル(2)1万7500回(3)なし(4)1万8000円前後(4)03・5333・4447(大石アンドアソシエイツ)
表の見方 数字は専門家の評価を換算。メーカー・ブランド名、製品名や品番。(1)最大容量(2)水を入れた時のモーター1分当たりの最大回転数、※は水なし時(3)主な付属品(4)都内大手量販店やウェブの10月下旬の実売価格など(5)問い合わせ先(輸入・販売元)。-は該当無し
■野菜不足、手軽に補える
厚生労働省は大人がとる野菜の量の目安を一日350グラム以上としているが、不足している人は多い。かさを減らすために野菜をゆでたり煮たりすれば食べやすくなるが、「ビタミンCやカリウムなどが溶け出てしまう」(管理栄養士で料理研究家の松尾みゆきさん)。ミキサーなら量も栄養素も効率的にとれる。
ミキサーはモーター部分の回転速度などにより、かくはんする能力に差が出る。野菜や果物の酸化を防ぐため、「強力なモーターと切れやすい刃で短時間で仕上げられると風味のよいジュースが作りやすい」(家電コーディネーターの戸井田園子さん)という。
操作や洗浄の際には刃にくれぐれも注意しよう。生野菜や果物の中には、とりすぎると体を冷やすものもある。冬場は食材を常温にしたり、氷は控えたりしておいしいジュースを楽しみたい。
■ジューサーを選ぶなら
ミキサーと似て非なるものにジューサーがある。ミキサーが果物や野菜を丸ごと刻み、かくはんして全て飲めるようにするのに対し、ジューサーは食物繊維などの搾りかすを除いて果汁などの水分のみを取り出す。一般的なジュースのようにさらりとした飲み口だ。
今回は専門家にジューサーの評価もしてもらった。1位はシャープの「ヘルシオジュースプレッソ EJ-CP10B」(3万円前後)。動作音は小さく、1分間に32回転の低速でかき混ぜて搾り出すジュースは「野菜や果物の甘みがよく出ている」(「IT&家電ビジネス」編集部の伊森ちづるさん)。2位はNUCジャパンの「クビンス・サイレントジューサー」、3位はパナソニックの「ジューサーミキサー MJ-M32」。パナソニックは上部分の容器を替えればミキサーとしても使える。
◇ ◇ ◇
調査の方法 売れ筋商品を出す企業にスムージーを作るのに向くミキサー(ブレンダー含む)とジューサーを推薦してもらい、ミキサー22種類、ジューサー7種類の候補リストを作成。女性の専門家11人に、実機を見て同量のリンゴと小松菜でジュースを試作した上で評価してもらった。手入れのしやすさ、味、価格、音、安全性の5つの評価項目で順位を付けてもらった。選者は以下の通り(敬称略)。
阿部夏子(「家電Watch」デスク)▽池上正子(料理研究家)▽伊森ちづる(「IT&家電ビジネス」編集部)▽鈴木あさみ(カラースムージーマイスター)▽鈴木麻里子(IT系ライター)▽関口絢子(料理研究家)▽田中真紀子(ライター)▽戸井田園子(家電コーディネーター)▽奈良優子(野菜ソムリエ)▽藤井香江(ジュースコーディネーター)▽松尾みゆき(料理研究家)
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