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タクシーの謎……なぜ大手4社は「大日本帝国」? 編集委員 小林明

2013/10/25

戦争末期、大手4社の「大日本帝国」に集約されたタクシーは重要産業、軍、政府などに重点配備され、時には今の救急車の役目も果たしたようだ。ただ、米軍機による攻撃にさらされ、結局、終戦時には千数百台のタクシー車両しか残らなかった。

戦後になると、4社以外にも様々な新興グループが生まれて離合集散を繰り返す。東京無線協同組合、チェッカーキャブ(チェッカー無線)、東都自動車、日の丸自動車、グリーンキャブ、共同無線タクシーなどは今でも都内でよく見かけるおなじみの社名。一方、大手4社も存続し、こうして現在の業界の構図が出来上がった。

「タクシー業界は、景気や行政の政策に大きく影響を受けてきた」と秋山さんは言う。

東京の法人タクシー台数は、2002年(平成14年)にタクシーの数量規制が廃止されたために大幅に増加し、08年(平成20年)にピークを迎える。だが、08年には一転して政府が供給抑制策にカジを切り、減少に転じた。東京の法人タクシーの輸送人員数は、景気動向の影響から07年以降は減少傾向にあるようだ。


■山手線内は大手4社、西は東京無線、東はチェッカー……

では最後に、あまり知られていない業界のウンチクを披露しよう。

まず都内のタクシー会社の勢力図について。

業界関係者によると、(1)大手4社は企業の本社や繁華街などが集中する中央区、千代田区、港区、新宿区などJR山手線の内側に多い(2)東京無線は新宿や池袋よりも西側に多い(3)チェッカー無線は東京や上野よりも東側の地域に多い――という傾向があるという。つまり、山手線内では大手4社、東京西部では東京無線、東京東部ではチェッカー無線にお目にかかる確率が高いらしい。

特定地域に強いタクシー会社もある。例えば、コンドルタクシーは杉並、練馬、板橋、中野区などが地盤、荏原交通は城南エリア(品川、世田谷、目黒、大田区など)が地盤。地域密着が強みになっているわけだ。利用する場所によってタクシー会社の“密度”の濃淡が体感できるので、機会があれば検証してみると面白いだろう。

■「黒塗り」に乗った方が得なワケ?

「黒塗りのタクシー」はハイヤーの代用としての利用が多いので、乗り心地もサービスも相対的に格上の場合が多いという(一部画像処理しています)

もう一つ豆知識。

「どうせ乗るのなら、黒塗りのタクシーを選んだ方が得」という“法則”があるのをご存じだろうか?

実は、黒塗りのタクシーは内装やサスペンション、タイヤなど車両の質が相対的に高く、優秀な運転手を乗務させる会社が多いという。「ハイヤーの代用として使いたいという要望が利用者から多いため」(秋山さん)らしい。

会社によって細かな規定は異なるが、黒塗りのタクシーだと通常よりも高級車種を使い、特別の試験をパスした運転手でないと乗務させないというケースが多いようだ。

ちなみに、秋山さんが経営する山三交通でも「黒塗りのタクシーは全体の4割強程度だが、車両の乗り心地は明らかに良いし、接客に慣れていない運転手を乗務させることはまずない」という。

もちろん例外もあるようだが、頭の片隅に入れておくと便利かもしれない。

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