お酒は「店飲み」から「家飲み」へ 新常態の対応急ぐサントリーホールディングス 新浪剛史社長

――売上高を4兆円まで増やす目標を掲げてきました。あと1兆円以上、積み上げる必要があります。

「昨年にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対するネット有利子負債の比率が、目標としてきた3倍以下になりました。いまは大変な経済状況であり財務の一層の安定化は必要ですが、先は見えてきました。(企業買収など)大きなチャンスが出てきたときに実行できる体制をつくることが大事です」

――社長になる際に、自分は創業家の次世代に橋渡しをする中継ぎ役であるというような発言をしていました。しかし約6年が経過し「本格政権」ですね。

「創業家の佐治信忠会長に君臨してもらっているから僕もやりやすい。その意味でやっぱり創業家が経営しているのですよ。コロナという荒波が押し寄せている中、鳥井信宏副社長、鳥井信吾副会長とも話しながら、4人が一致団結して経営しています。コロナ後の『ニューノーマル』の状態になるのを見据えながら」

――ではニューノーマルになった頃、鳥井信宏さんに社長交代ですか。

「僕が決めることではありません。僕は創業家ではないが創業家精神のもとで経営をしている。創業者である鳥井信治郎以来の考え方を伝承していくのが会長の役割です。私は将来の2030年のビジョンに向けてしっかりと(経営を)実行していきます」

(聞き手は日経MJ編集長 鈴木哲也)

新浪剛史
1981年(昭56年)慶大経卒、三菱商事入社。91年米ハーバード大経営大学院修了。仏企業との給食事業会社の立ち上げで社長を経験。02年にローソン社長に就任し、14年会長。同10月から現職。体を鍛えてストレスを発散する。神奈川県出身、61歳
■1.6兆円買収から6年後の試練
佐治信忠会長は当時の営業利益の約10倍にあたる1兆6000億円を投じ、米蒸留酒大手のビーム(現ビームサントリー)を買収した。買収後に新浪剛史氏を創業家以外から初めて社長に迎えて、融合を託した。新浪氏は日本語の「やってみなはれ」を共通語に融合を図った。日米の職人の合作ウイスキー「リージェント」は統合の象徴だ。
ビームサントリーの販売網を活用しインド専用ウイスキーを投入するなど、新しい展開に乗り出していた矢先に新型コロナウイルスが流行した。ビームの浮沈が経営を左右するだけに、サントリーは買収6年後のいま大きな試練を迎えている。(後藤健)

[日経MJ2020年5月25日付]

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