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戦友は迷彩女子 大人の戦争ごっこ「サバゲー」

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NIKKEI STYLE

 敵味方に分かれてエアソフトガンで撃ち合いをするサバイバルゲームが男性だけでなく、女性の人気も集めている。エアガンのレンタルや更衣室を備えた専用フィールドが郊外に増え、スポーツ感覚で手軽に楽しめるようになったからだ。ストレス解消に加えて、映画やゲームのように迷彩服を身にまとうコスプレ要素も魅力のようだ。

「闘争本能に火がついた」

今月12日、相模原市にある専用フィールド「SPF GAME FIELD」でサバイバルゲームが開かれた。アパレル会社の経営者や映像クリエーターなど20人ほどの参加者のうち、4人が女性だ。ルールは2チームに分かれ、相手チームを全滅させるか、相手陣地にあるブザーを鳴らせば勝ち。弾が当たった人は「ヒット」と自己申告して退場する。

「ブザーに向かって私が走るので、後から援護して下さい」。取材のためゲームに参加した記者に、同じチームの女子大生(23)は大胆な提案をした。敵陣のブザーは目の前だが、茂みに隠れた敵兵からの攻撃が激しく、膠着状態にあった。「1、2、3」の合図とともに女性が障害物から飛び出し、勇猛果敢に敵の最深部まで走った。無事ブザーを押して我がチームは勝利。「一気に攻めたのが良かった」と笑顔を見せる。

今回初めて参加した武田和希さん(23)は最初の2ゲームで2人を倒す戦果をあげた。「最初は怖かったけど、すぐに闘争本能に火が付いた。男女の差はあまり感じず、良い運動になった」と笑う。ミリタリーファッションに身を包んだ女性参加者は「コスプレ要素も楽しい。本物の軍隊っぽくならないように、迷彩のTシャツに単色のズボンを合わせた」と話す。

女性ファンの増加でエアガンの販売も伸びている。最大手の東京マルイ(東京・足立)は2013年3月期の売上高が前の期と比べて3割増えた。企画室の島村優係長は「映画やゲームで興味を持って始める人が増えている。6万円もする高級品をいきなり買っていく初心者もいる」と話す。

女性用更衣室も完備

現在のサバゲー人気は実は06年の銃刀法改正がきっかけ。当時、走行中の車の窓ガラスに発射する事件などが頻発したため、エアガンの威力に上限を設けた。エアガンに対する世間の目も厳しくなり、野山や空き地でゲームができなくなった。

そこで隔離した空間で安全にサバゲーができる専用フィールドが首都圏を中心に相次ぎ開業し、現在は全国約60施設まで増えた。かつては一部の男性の遊びだったが、近年はテレビで女優が趣味と公言するなど裾野が広がりつつある。

女性向けのサービスも充実し、4施設を運営するユニオン(千葉県印西市)は女性用の更衣室やシャワー、トイレを完備。エアガンや迷彩服、ゴーグルを1日4000円で貸し出す。毎週土日には初心者でも参加できる定例会を開催する。

郊外のフィールドに行かなくても会社帰りに手軽に遊べる場所も増えている。「シューティングレンジ ターゲットワン」(東京・千代田)はJR秋葉原駅にほど近いビルの地下にある。今年5月に開業したばかりだ。的までの距離は15メートル、10メートル、5メートルの射撃場があり、料金は非会員で20分700円から。レンタル用ガンは50種類以上を用意する。友人と来た高橋千尋さん(27)は「連射で撃つと、かなりのストレス発散になる」と話す。

一方、会社員の清水香梨子さん(30)は「2~3カ月に一度、仕事関係の人とやっている。コミュニケーションを取るのが目的」と話す。女性ビジネスパーソンの商談の武器がサバゲー、という日が来るかもしれない。

(阿曽村雄太)

[日経MJ2013年10月18日付]

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