校長に聞く、コロナで変わる教育 自律学習IT後押し「これからの学びのカタチ」 前編

「教員も変わっていく時代が来た」

桜井 ITの力を使って生徒同士の学び合いを促進できるような環境が必要ということですよね。

工藤 横浜創英では5月から新しい授業カリキュラムをつくったのですが、基本的にオンラインでZOOMとグーグルのG Suiteを使っています。日常の授業ではなかなかグループ学習は活発ではなかったのですが、ITを使い始めたらグループ学習を盛んに使ってディスカッションをする授業が頻繁に行われるようになりました。チームティーチングも簡単にできるようになりましたしね。

桜井 そうなると、教員の役割も変わってくる気がします。例えば、メンターとかファシリテーターのような役割になっていくのでしょうか

日野田 教員が変わっていく時代が来たのかなと思っています。僕はよくファシリテーターではなく「パシリテーター」と言っているのですが(笑)、「僕らは君らのパシリ。だから何でも言ってほしい。チャレンジするのは君らのほうで、我々は最後のリスクヘッジだけするから、どんどん失敗して」とよく言っています。学びの主体は生徒です。学校経営にも生徒が参加すべきです。学校は自分の目的や使命に気づくところであって、受け身でひたすら知識をインプットされるところではないはずです。

工藤 これも麹町中の例になりますが、教育熱心な地域にあるので、小学校時代に塾などで詰め込み教育を受けてきた子供たちが多いんです。散々与えられ続けると、自分で学ぶことを忘れてしまう。何をしたらいいか分からなくなってしまう。その姿を見て、保護者もあたふたしてしまう。ですので、子供の自律性を復活させることが非常に重要で、僕ら教師側は「勉強しろ」とは絶対に言わない。そのかわり、「君はどんな状態?」「どうしたいの?」「僕らは何を支援したらいい?」という3つの問いを繰り返し投げかけていきます。

工藤勇一校長(横浜創英中学・高校)

桜井 なるほど。ちょっとITにもう一度ひき付けてお聞きします。ITを使うと生徒が何をいつどう学んだのかの学習履歴が残りますよね。これを生徒が自分自身のために使えば、自律的に学ぶことの後押しになりませんか。

日野田 高3の生徒からのフィードバックで、「今までの学習では履歴が残らなかったのに、オンライン授業だと自分なりに履歴を見て勉強の方針を立て直すことができました」というコメントがありました。そして、こうした有益な情報も、生徒が勝手にどんどん共有してくれるんです。僕らみたいな教師や保護者が頑張りすぎないほうが、もはやいいんですよ。

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