「必死でコミュニケーションの練習をした」
中島 カザフスタンって日本から遠すぎて、いいところがパッと思い浮かばないっていうツッコミなんですけど。
パックン なるほど。例えば、「いやいや、そんなことないよ! カザフスタンにもいいところあるよ! 国土面積が日本の8倍だよ!」ってツッコミ返したら面白いのに。
中島 それは考えつかなかった! そうかあ。
パックン といったわけで、いまいろいろ聞いたんですけど、こうやって中島さんのいろんな情報を集めて、それをもとに性格を理解したり、共通点を探して話をしたりするのが大事だと思うんです。米国の営業マンの間の常識ですが、相手が7割、自分が3割の割合で話す分量を心がけると、相手はちょうど半々に感じると言われている。とにかくまずは聞くことから始めるんです。
中島 ずっと聞かれてたのか! でも、聞くことって簡単なようで難しいと思うんですが、それはパックンがもともと持っていた能力なのでしょうか。コミュニケーションは練習して上達するものなのでしょうか。
パックン 僕はよくコミュニケーションをスポーツに例えます。もともと運動神経のいい人はスポーツが得意になるかもしれません。でも、練習で上達する部分が必ずあるんです。
僕は27歳になって初めて卓球に挑戦しました。かなり本気で練習したんですよ。そうすると、若いときに卓球をプレーしていたけれど大人になるまでブランクがあるような人には、勝てるようになったんです。運動神経が抜群にいいプロのスポーツ選手が相手でも卓球なら勝てる。つまり、もともと持っている能力とは関係なく、僕は必死で訓練してきたから勝てるようになったわけ。コミュニケーションも同じで、練習すれば練習していない人より絶対上達できるんです。
中島 タレントとして有名になったパックンでも、いまも練習するんですか。
パックン もちろんです。ぼくは49歳ですが、いまも毎日のように、この人のコミュニケーションをまねしたいという人に出会う。この人すごいなと思ったら、何を盗めるかって考えるんです。スポーツをしていると、憧れの選手のまねをしてみたりするでしょ。それと同じ。まねして、練習するんです
中島 どうやって練習したらいいんでしょうか。