コロナで大学やめる前に 無利子の奨学金や給付金活用

2020/6/10
大学など高等教育無償化の対象が広がっている(写真はイメージ=PIXTA)
大学など高等教育無償化の対象が広がっている(写真はイメージ=PIXTA)

経済的理由で大学や短大、高等専門学校などに進学することができないという学生が増えています。そのような学生にも学びの場を与えるために、2018年から「給付型奨学金」が始まりました。対象は住民税非課税・生活保護世帯です。

これが2020年4月に拡充され、「高等教育の修学支援新制度」、いわゆる高等教育の無償化となりました。大学の無償化などとして話題が広まりましたので、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

対象が住民税非課税に準じる世帯まで拡充され、授業料・入学金の減免と併せて利用できることになったため、自己負担が少なく学校に通えるようになったのです。給付や授業料、入学金の減免額は、進学する学校の種類や自宅通学か、自宅外通学かにより変わります。また、利用には進学先が対象になっていることが必要なため、検討されている方は確認が必要です。

新型コロナによる家計急変にも

この制度は新型コロナウイルスの影響による家計急変で、修学の継続が困難になってしまった学生にも適応されることになりました。収入要件や家計急変の事情に関する要件などはありますが、学費などに不安を抱える学生には心強いことでしょう。

私は大学など学校の事情に精通しているわけではありませんが、大学生の娘を見ていると、学生の環境はガラリと変わったようです。

授業料を納めているので、時期をみて授業は始まったのですが、徹底的に対面を避け、オンライン授業。実技の確認もオンラインで行われます。オンラインの環境がスマートフォンだけという学生は、料金の負担が大きくなる場合もあるようですし、オンラインで問題なく学習を続けられる環境がない学生もいるようです。

他の大学では「授業料返還運動」で学生に一律5万円給付したり、オンライン化の負担軽減のために毎月1万円を支給すると決めたりしたところもあるそうです。このことは報道されていたので、ご存じの方も多いかもしれません。そして、いまだ何も対応していない大学では、学生の運動が続いていると聞いています。

学生も、学業の継続のために、必死です。

奨学金の利用も一考を

ところで、メディアの方への協力をしていると、この経済状況、家計状況が急変しているなか、利用できる奨学金があることを知らない学生が一部いることを知りました。今の緊急事態に、日本学生支援機構が「緊急・応急採用奨学金」「給付奨学金(家計急変)」を利用できるよう、お知らせを出しています。退学、休学を考える状況に追い込まれてしまった方は、ご一考されてみてください。

家計状況が急変した場合は奨学金の利用も検討を(写真はイメージ=PIXTA)

「緊急採用」とは、第一種奨学金(無利息)です。失職・破産・事故・病気・死亡もしくは火災・風水害等の災害等により家計急変してから12カ月以内の人が対象で、年度末まで貸与を受けられますが、「緊急採用奨学金継続願」を提出することで修業年限まで利用できます。高校、専修学校、大学、短大、高等専門学校、大学院と幅広い学校が対象です。

「応急採用」とは、第二種奨学金(年利3%を上限とする利息付き、在学中は無利息)です。緊急採用同様、家計急変してから12カ月以内の人が対象です。貸与の開始は採用年度の4月以降で申込者が希望する月、貸与の終わりは標準修業年限が終了するまでとなります。

「給付奨学金(家計急変)」は、予期できない事由により家計が急変し、急変後の収入状況が住民税情報に反映される前に緊急に支援の必要がある場合、その後の所得の見込みにより要件を満たすことが確認されれば支援対象となります。併せて、授業料の減免を受けられる場合もあります。家計が急変してから3カ月以内に申し込むことが必要です。

それぞれいくらの給付、または貸与を受けられるかは、国公立か、私立かということや、学校の種類、自宅から通っているのか、自宅外からなのかにより異なります。最高額を見ると、給付では自宅外通学の私立大学生が7万5800円、貸与は緊急採用(第一種)は同じく自宅外通学の私立大学生で6万4000円です。応急採用(第二種)は大学で月額2万~12万円となります。

これらは併用もできますので、借りることばかりを考えるのは嫌かもしれませんが、乗り越えるための策の一つとして念頭に置いていただければと思い、紹介しました。また国は「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』を創設し、国公立大学等に通う学生を対象に、住民税非課税世帯の学生は20万円、それ以外は10万円を給付するとしています。

学び続けることとお金は、密接に関係しています。そのために様々に救済策が出されるのですが、それでも十分ではない場合もあります。緊急時は大学の学務課ともよく相談し、自分の状況ではどのようにすると乗り越えられるのか、策を見つけてほしいと思います。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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