日経クロストレンドは、全国の企業のマーケター400人、ビジネスパーソン1000人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大の影響についてアンケートを実施した。第1回はマーケター400人調査の結果について解説する。売り上げ減、広告費削減が見込まれる中、マーケターが4つの課題に取り組んでいることとが見えてきた。

withコロナに向けてマーケターが動き始めた(写真/Shutterstock)
withコロナに向けてマーケターが動き始めた(写真/Shutterstock)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自分自身の業務に「現時点で影響が出ている」81.2%、担当商品・サービスの2020年4~6月売り上げ前年同期比「50%以上の減収の可能性がある」20.8%、20年4月以降の広告出稿「当初予定より50%以上減少」20.0%──。日経クロストレンドが、全国の企業のマーケター400人を対象に新型コロナウイルスの業務への影響についてアンケートを実施したところ、厳しい実態が浮かび上がった。一方、自身の業務で「困っていること」「それを改善するためにやっていること」の自由記入欄からは、コロナ禍にあって新事業の開発に取り組む姿勢もうかがえた。

 調査方法は、マクロミルで職業を「会社員」として登録している20~50代の調査モニターに自分が従事する職種を聞き、「商品開発」「広報・宣伝」「マーケティング」を選択した人に引き続きアンケートを依頼。全国400人のマーケターから回答を得た(20~50代各100人ずつ、男女比半々)。アンケート実施日は、20年4月16~17日。4月16日は、政府が特別措置法に基づいて5月6日までの緊急事態宣言を、7都府県から全都道府県に拡大した日である。

 まず、マーケターとして気になるのが、広告宣伝予算の動向だ。企業業績が悪化すると、削減する対象として広告宣伝費がやり玉に挙がりやすい。そこで、20年1~3月の広告出稿額と20年4月以降の広告出稿予定額について、当初予定からの変動幅を聞いた。

Q1.広告宣伝活動への影響についてお聞きします。当てはまるものを選んでください。
Q1.広告宣伝活動への影響についてお聞きします。当てはまるものを選んでください。

 20年1~3月は、当初予定より「50%以上減少」が11.3%、「20%以上減少」が11.8%、数%減まで含めた減少回答が38.1%を占めた。20年4月以降の広告出稿は一段と厳しくなる。「50%以上減少」が20.0%を占め、数%減まで含めた減少回答が42.3%に上る。出稿先を吟味して絞り込むというより、臨時休業やプロモーションの延期・中止で、予定していた出稿を止めざるを得ないケースも多そうだ。

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