洋菓子店やコンビニを展開 異分野ノウハウを吸収加賀屋相談役 小田禎彦氏(11)

洋菓子事業にも進出した(加賀屋の本館近くで営むケーキ店)
洋菓子事業にも進出した(加賀屋の本館近くで営むケーキ店)

石川県内にとどまらず、日本の旅館の代表格である加賀屋(同県七尾市)。3代目の社長で現取締役相談役の小田禎彦氏は、旅行業界紙の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で長く連続日本一に選出されたサービスの礎を築いてきた。小田氏の「仕事人秘録」第11回では、本業以外を手掛けた狙いを明かします。

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幅広い価格帯のビジネスを「実験」

老舗旅館「加賀屋」が本業だが、様々な事業を展開してきた。経営革新を続けるには異分野のノウハウを蓄えておく必要があると考えるからだ。

2010年、加賀屋の近くに「虹と海」という宿泊施設を設けた。客室係は置かず、食事はビュッフェ方式。価格は1泊1万数千円と加賀屋に比べると安い。主に長男で副社長の與之彦(当時、現社長)に企画・運営を任せた。

デフレで老舗旅館が苦戦する中、1泊8000円以下の料金を売り物にする低価格チェーンが成長していた。ある程度の料金をいただき、良質のサービスを提供する旅館の優位性は変わらないだろう。ただ、低価格の形態をお客は受け入れるか、どう運営すれば価格を抑えられるか、検証はしておかないといけない。

前後するが、06年に洋菓子製造事業も始めた。加賀屋の地元である石川県七尾市出身の著名パティシエ、辻口博啓さんに監修してもらい、ケーキや焼き菓子を作っている。

自然に恵まれた和倉温泉だが、目玉となる菓子類はない。名物を育ててほしいと頼み、北陸の食材を使ったパイ状の菓子「YUKIZURI」などが誕生した。14日の北陸新幹線開業に向けて金沢駅や富山駅でも店を準備している。

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