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台湾に日本の加賀屋と同じサービスを持ち込んだ(前列右から5人目が本人)

台湾に日本の加賀屋と同じサービスを持ち込んだ(前列右から5人目が本人)

石川県内にとどまらず、日本の旅館の代表格である加賀屋(同県七尾市)。3代目の社長で現取締役相談役の小田禎彦氏は、旅行業界紙の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で長く連続日本一に選出されたサービスの礎を築いてきた。小田氏の「仕事人秘録」第10回では、台湾への進出を振り返ります。

◇  ◇  ◇

リーマン・ショックを乗り越え、台湾進出を実現

2010年、台湾に進出し、現地企業と合弁で旅館の運営を始める。李登輝・元総統が加賀屋を訪れたことがきっかけになった。

台湾との縁ができたのは1990年代半ば。大手自動車会社が台湾の販売会社社員を研修を兼ねて日本に招いた。せっかくだから日本らしい体験をしてほしいと考え、加賀屋での宿泊を含むプログラムにしたという。約300人が訪れ、好評だった。台湾の旅行会社は一般の人にも人気になると判断したようだ。現地からの旅行客が定期的に来てくれるようになった。

04年12月には、総統を引退していた李登輝さんがお越しになった。「日本ですごいものに2つ出会った。1つは秒刻みで精密に動く新幹線。もうひとつは加賀屋の行き届いたおもてなしだ」と言っていただいた。日本流のおもてなしを台湾の若者に教えてほしいとお願いされた。

力になりたい。そう思っていたところ、現地不動産会社の日勝生活科技から宿泊施設をやりたい、と打診された。着物の女性がお酒をつぐといった、日本式サービスを持ってきてほしいと要請された。

準備が動き出したところで起きたのがリーマン・ショック。「大丈夫かな」と怖さもあったが、李登輝さんからお願いされたことでもある。日勝生とブランドの使用やノウハウの提供についてフランチャイズ契約を結び、台北市北部の北投温泉に「日勝生加賀屋」を設けることにした。

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