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アース製薬の川端克宜社長

アース製薬の川端克宜社長 

防虫・殺虫剤大手のアース製薬が芳香剤などの日用品に力を入れている。虫ケア用品の需要は気候変動に左右されるため、商品群を広げて安定成長を狙う。日用品では小林製薬やエステーなど強豪がひしめくが、川端克宜社長は「消費者の不満を商品に生かせばシェアは大きく変わりうる」とアイデア勝負を挑む。

――昨今の異常気象で虫ケア商品も影響を受けているそうですね。

「たまたま良い方向に振れたのが去年で、悪かったのが一昨年です。昨年は業績だけ見たら良かったとなりますが、心の中ではなにもいい事はないと思っています。生活周りの商品を増やすことで虫ケアへの依存体質を変えて、季節変動の影響を受けない形に持っていきます。海外にも力を入れていきます」

「面倒くさい」 商品開発の種

――芳香剤では小林製薬やエステーが強いですが、どう特徴を出していきますか。

「僕は常々、付加価値のある商品をつくるとは言わないんです。付加価値はその商品の中から知らず知らずについてくるものです。例えば当社の芳香剤は最後の1滴まで触らなくていいように設計しています。他社さんのは途中でジャバジャバ振ったりしますが、お客様はそれが面倒くさいのでは、と思ってです」

「付加価値をつけるとなるとどうしても今ある商品を考えてそこからプラスとなりますが、ゼロベースで考えた方が良いと思うんです。はじめは小林製薬さんやエステーさんの商品がほしい人はそれを買えばよいと思っています、本音で。そこで不満点がある人がアース製薬の商品を買ってくれればいい」

――既存製品に付加価値を加えるのでなく、他社製品への不満から商品開発が始まると?

「全部はそこからですね、始まるのは。我々の商品でも『ごきぶりホイホイ』は90%のシェアがあります。わずか2%は不満点がでてきて、他社が商品を開発すれば崩される可能性もある。2%の人しか買わないって事はないと思います。みんなそれを勘違いしています。(不満をくみ取った)商品が出た瞬間、シェアは突然変わるかもしれない。それが醍醐味であり面白み。芳香剤もそこが突破口です」

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