圧巻、大迫力 滝の名所ランキング
流れ落ちる水量の迫力に、清涼感あふれる空気。日本各地には名瀑(ばく)と呼ばれる滝がたくさんある。それらを「比較的気軽に家族で訪れられるところ」「山歩きも満喫できるところ」の2つに分けて、実際によく訪れている専門家にお薦めを選んでもらった。
<家族で楽しく>
日本一の落差
「雪解けの増水時は圧倒的な水量で豪快な大瀑布となる。右側のハンノキ滝も息をのむ光景」(近藤龍平さん)(1)称名滝350メートル、ハンノキ滝約500メートル(2)段瀑/4段(称名滝)(3)富山地方鉄道の立山駅からバスで約20分の終点から称名滝まで徒歩で約30分。道は舗装道路で歩きやすい(4)立山町観光協会076・462・1001
辺りを圧する風格と威厳
「辺りは杉の大木のもとに昼なお薄暗く、荘厳さが漂う」(中西栄一さん)(1)133メートル(2)直瀑(3)JR紀勢本線の紀伊勝浦駅からバス、滝前で下車し徒歩5分(4)那智勝浦町観光協会0735・52・5311
深緑の滝つぼ
下流で水遊び
日本代表する名瀑
(1)88メートル(2)分岐瀑(3)バス停大川の滝下車、徒歩10分(4)屋久島町商工観光課0997・43・5900
7位 龍門の滝(大分県九重町)
(1)26メートル(2)段瀑/2段(3)JR恵良駅から車で10分の駐車場から徒歩5分(4)九重町商工観光・自然環境課0973・76・3150
8位 雪輪の滝(愛媛県宇和島市)
(1)全長300メートル(2)渓流瀑(3)滑床渓谷の駐車場から徒歩で約30分(4)松野町産業振興課0895・42・1116
9位 神庭の滝(岡山県真庭市)
(1)110メートル(2)分岐瀑(3)神庭の滝自然公園駐車場から徒歩15分。入園料大人300円必要(4)神庭の滝自然公園0867・44・2701
10位 姥ケ滝(石川県白山市)
(1)86メートル(2)分岐瀑(3)JR金沢駅から車で約1時間半、蛇谷園地駐車場から徒歩約15分(4)白山市観光情報センター076・273・4851
<山歩きも満喫>
美しいすだれ状の流れ
白いすだれ状の流れが美しい。滝の名は悲恋伝説にある娘の名にちなんだという。「規模の大きさと美しさで群を抜く。岩肌を流れる水模様も美しい」(鉄弘一さん)(1)90メートル(2)分岐瀑(3)秋田内陸縦貫鉄道の阿仁マタギ駅から春~秋に周遊タクシーがある。展望所へは、タクシー、自家用車ともに最寄り駐車場から徒歩約50分(4)北秋田市産業部商工観光課0186・72・5243
白いベール幾重にも
(1)270メートル(2)段瀑/7段(3)天人峡温泉から登山道を約1.5キロメートルほど、1時間以上歩いた滝見台から水量の豊かさで知られる敷島の滝と合わせて望める(4)ひがしかわ観光協会0166・82・3761
尾瀬が源流
天から水が降り注ぐ
紅葉が美しい
(1)100メートル(2)段瀑/4段(3)バス停西ノ湖入り口から徒歩約2時間(4)日光観光協会0288・54・2496
7位 北精進ケ滝(山梨県北杜市)
(1)121メートル(2)直瀑(3)精進ケ滝駐車場から徒歩40分で滝見台(4)北杜市観光協会0551・47・4747
8位 滑川大滝(山形県米沢市)
(1)80メートル(2)分岐瀑(3)滑川温泉から徒歩1時間で滝下(4)米沢市商工観光課0238・22・5111
9位 矢研の滝(宮崎県都農町)
(1)73メートル(2)分岐瀑(3)尾鈴山第一駐車場から徒歩約40分(4)都農町観光協会0983・25・5712
10位 ピナイサーラの滝(沖縄県竹富町)
(1)55メートル(2)直瀑(3)西表島の船浦橋からカヌーで川を約1時間上り、徒歩で約1時間(4)竹富町商工観光課0980・82・6191
表の見方 数字は選者の評価を点数に換算して集計した。カッコ内は所在地。(1)落差(2)滝の形状(3)主なアクセス(4)問い合わせ先と電話番号を記載。写真は滝のある自治体や観光協会の提供。
■水遊びに紅葉、表情豊か
前者は最寄りの駐車場などから遊歩道が整備されているところが多く、子連れでも楽しめる。4位の法体の滝や7位の龍門の滝のように、水遊びや滝滑りができるところもある。
一方、後者は上り下りのある山道を少なくとも30分以上歩いたり、ガイドや経験者の先導がないといけなかったりする場所にある。簡単には訪れられないが、その先で目にする滝は迫力満点のものが多い。
それぞれに魅力的だが、大雨のほか、台風や自然崩落などの影響で通行止めになることがある。実際、山歩きの1位「安の滝」は通行止め中。訪れる際は自治体や観光協会に通路の状況などを確認するほか、現地ではクマやハチなどにもよく注意しよう。紅葉の滝を逃したとしても、雪解け時や新緑のころもまた美しく、十分楽しめる。
◇ ◇ ◇
調査の方法 駐車場などから子連れでも徒歩約30分以内で滝を眺める場所に行ける「家族で楽しむ滝」と、徒歩で30分以上かかり多少の上り下りのある「山歩きを楽しむ滝」の2つに分け、迫力や美しさ、水遊びの可否、周辺の観光などでそれぞれ10カ所程度推薦してもらい、順位付けした。選者は次の通り(敬称略、五十音順)
▽加藤庸二(写真家)▽北中康文(写真家)▽近藤龍平(名瀑とかくれ瀧を旅する会代表)▽佐々木信一郎(滝のギャラリー主宰)▽鉄弘一(写真家)▽永瀬嘉平(ナチュラリスト)▽中西栄一(写真紀行作家)▽西脇輝俊(滝愛好家)▽前畑成樹(滝の旅人)▽村松孝太郎(日本の滝資料館館長)
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