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トヨタ自動車が公開した自動運転実験車

トヨタ自動車が公開した自動運転実験車

「自動運転」っていう言葉を最近よく聞くわね。来年に延期になってしまったけど、東京五輪でも自動運転車が活躍する予定だというニュースを見たわ。いつごろ実用化されるのかしら。

自動運転の実用化に向けた技術開発などの見通しについて、高倉朝子さんと小沢麻里子さんに田中暁人編集委員が解説した。

――そもそも自動運転とは何ですか?

車の運転は大きく「認知」「判断」「操作」の3つの要素に分かれます。人が車を運転する際には目や耳で周囲の車や歩行者を認知し、どう運転するか脳で判断した上で、手足でハンドルやブレーキを操作します。自動運転とはこの認知・判断・操作をシステムに委ねて、人が介入しなくても安全に車を走らせるようにする技術のことです。

「認知」には画像センサーやレーダーを使います。「判断」を担当するのは人工知能(AI)です。その判断を元にハンドルやブレーキを電気などの力で操作します。

自動車各社は自動運転技術の開発を通じて、交通事故を減らすことを最大の目的にしています。さらに渋滞の緩和や駐車場不足の解決、運転手不足の解消など、車の運転をシステムに委ねることで様々なメリットが生まれます。

――実用化はいつごろになりそうですか?

自動運転の定義は業界団体により5段階に分けられています。「レベル1」は一定の条件下で加速・減速かハンドル操作のどちらかを支援するものです。「レベル2」では2つをともに支援します。ここまではすでに実用化されていますが、あくまで運転支援技術の位置付けです。

「レベル3」になると、一定の条件下で運転をシステムに任せられるようになります。日本では今年にも実用化が見込まれ、ホンダなどが販売を検討しています。「渋滞中の高速道路」のような条件下で車が自動運転し、渋滞が解消されると警告音などで人間に運転の交代を促します。

「レベル4」は「特定の地域限定」などの条件下でシステムがすべての操作をこなしますが、条件を外れると人間が運転を代わる必要があります。「レベル5」はあらゆる状況でシステムが運転を担当し、人間のドライバーが不要になります。

「レベル4」は、米検索大手グーグルを傘下に持つアルファベットの子会社ウェイモが米国のアリゾナ州で商用サービスの実験を進めています。中国でも同様の試みが始まっています。日本ではトヨタ自動車が自動運転車「イーパレット」を東京五輪の際に選手村内の送迎用に利用する方針を表明しています。

ただ、いずれもごく限られた範囲での運用にとどまり、どこでもいつでも乗れる自動運転サービスの普及にはもう少し時間がかかりそうです。

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