化石燃料、枯渇しないの? 採掘技術の進歩で「延命」

――「脱化石燃料」はいつできるのでしょうか。

産業革命時からの気温上昇を1.5度以内にとどめようという国際合意としてパリ協定がありますが、それには50年に世界の温暖化ガス排出を実質ゼロにしないと間に合いません。現状のままでは3度以上も上がると言われています。世界的な気候変動が頻発しており、温暖化ガス削減は急がなければなりません。

日本だけでなく、ドイツも石炭火力への依存度はまだ高く、ポーランドも急激なエネルギー転換には慎重です。ただ、ドイツは38年までの全廃を決めました。当面は着実に再生エネシフトを進めつつ、残る化石燃料からの温暖化ガス排出はCCUSなどで減らすしかないでしょう。

「太陽光を地上で再現する技術」と言われる核融合の研究も進んでおり、夢がありますが、実現するとしてもかなり先でしょう。技術革新への過剰な期待は禁物です。化石燃料は結局、「いつまで使える」よりも、各国が「いつまでにやめる」と政治的に決めないと進まないと思います。

ちょっとウンチク

新エネ生み出す基礎科学

化石燃料による発電は、炭素化合物の酸化反応によって生じる熱をうまく取り出すものだ。分子・原子レベルの比較的単純な反応を利用していると言える。

物質の基本粒子を探る研究が進むと原子核の振る舞いもわかってきた。重い不安定な原子核が分裂してエネルギーを出し、安定な状態の軽い原子核ができる核分裂反応を応用したのが原子力発電だ。逆に軽い原子核どうしがくっついて重い原子核ができる核融合反応も応用段階に入りつつある。

こうして、基礎科学の進展とともに新たなエネルギー源が見いだされてきた。次の新しい展開が待たれる。(編集委員 安藤淳)

■今回のニッキィ
増田 る美さん 貿易関係の仕事をしているが、中国の新型肺炎の行方が気になっている。五輪も控え、物流にさらに影響を与えないか悩みのタネだ。「どうなるのか……報道を随時チェックします」
涌井 久子さん 東京五輪のボランティアとして夫と2人で参加する。研修にも出席して、いよいよ近づいてきたことを実感している。「何をするのかまだ決まっていないけど、とても楽しみです」

[日本経済新聞夕刊 2020年2月3日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。

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