味わいスッキリ、甘さ控えめ
最近の人気は「にごり系」と呼ばれるもので、梅酒に漬け込んだ梅の果肉をすりおろして入れたり、裏ごしした梅のピューレを加えたりしている。グラスに注ぐととろりと重く、果肉の繊維などでにごってみえる。
口当たりは柔らかいが、味わいはすっきりしているものが多い。「梅酒は甘い」という印象を持たれがちだが、梅独特の酸味を生かし、甘さを控えたものが増えた。
梅酒は家庭などではホワイトリカーに梅を漬けて造る。市販のものは日本酒やブランデーなども使い、風味が豊かだ。アルコール度数は8~15%程度で、ビールよりは高いが、冷やしてソーダで割ると、口当たりが軽くなる。
日本洋酒酒造組合(東京都中央区)によると、酒類全体の消費量は減少傾向にあるものの、梅酒の国内出荷量は昨年は10年前の約2倍と増えている。アルコールではあるが、「疲労回復に効果があるクエン酸や、抗酸化作用のあるポリフェノールを多く含む」(医師で梅酒研究会会長の明星智洋さん)。甘さも控えめにし、健康志向の高い人にも受けている。
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調査の方法 全国の百貨店や量販店、もしくは取り寄せて購入できる梅酒の中から売れ筋や専門家の推薦などで23商品を候補に選出。実際に専門家に試飲して選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
岡田良一(日本料理店「分とく山」板前)▽梶田泉(シニアワインアドバイザー)▽川名祥史(「梅酒ダイニング明星」マイロプス代表)▽北仁子(ザ・リッツ・カールトン東京シニアソムリエ)▽畔田隆弘(三越伊勢丹銀座店食品営業部マネジャー)▽小松めぐみ(フードライター)▽関敏之(梅酒マイスター)▽野崎貴之(フードアナリスト)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会常任理事)▽明星智洋(「梅酒研究会」会長兼医師)