「笑わない男」が持つ魅力 言葉より伝わる表情の威力

CAが機内で見せた「表情六変化」

座席の上にあるスピーカーから聞こえてくる機長さんのコメントが何かの拍子か、急に大音量で聞こえてきた。周囲の人たちも「あれ?」という表情を見せた。

とっさに私は目の前を通りかけたキャビンアテンダント(以下CA)さんに向かって手を上げた。すると、彼女は機敏に駆け寄ってくださった(もてなしの表情で)。

CA「何かご不便をおかけしておりますでしょうか?(心配気な表情)」

「いや、スピーカーの音量がちょっと」

CA「すぐに確認して参ります、少々お待ち下さい(毅然とした表情)」

即座に機内電話のあるところに走り、手際よくダイヤルをプッシュし、大きくうなずきを入れながら責任者と会話を交わした様子だ。

10秒もしないうちにアナウンスの音量は正常となったところでCAさんが戻ってきた。

CA「いかがでしょう?」(気遣う表情)

梶原「いやあ、どうも、どうも。音量、戻りました!」

CA「ご迷惑をおかけしまして」(安堵の表情)

笑顔を取り戻したCAさんが席に戻った。彼女はわずかなやり取りで「もてなし・心配・毅然・気遣い・恐縮・安堵」と、少なくとも6つの「場面に応じた表情で伝える非言語表現」を駆使して対応していた。

機内はエンジン音が伝わり、言葉を聞き取りにくい空間だ。「言葉」と同じぐらいに「表情」で伝えるコミュニケーションが重要なことをあらためて教えられた。

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