米大統領選どうなる? ポピュリズムの波、与野党に

共和党・トランプ氏と民主党・クリントン氏が戦った前回の大統領選挙で討論会の会場周辺に集まった支持者ら。今回の構図は?(2016年10月)
共和党・トランプ氏と民主党・クリントン氏が戦った前回の大統領選挙で討論会の会場周辺に集まった支持者ら。今回の構図は?(2016年10月)

2020年11月3日の米大統領選まで、残り1年を切ったわ。共和党のドナルド・トランプ大統領(73)と民主党の候補者のどちらが勝つのかしら。日本も選挙の行方から目が離せないわね。米国だけでなく世界全体の針路も左右する次の大統領選のポイントについて、関満子さんと福島茉莉奈さんが小竹洋之編集委員に聞いた。

――大統領選の最大の注目点は何ですか。

要は「トランプ派」と「反トランプ派」の決戦です。トランプ氏は「米国第一」の公約で民意をつかみ、16年11月の大統領選で勝利を収めました。17年1月の政権発足後は保護貿易、移民制限、孤立主義の政策を推進し、米国の変質を決定づけました。権力の乱用や差別的な言動がたたり、社会の分断も深まる一方です。それでもなおトランプ氏に米国のかじ取りを委ねたい人々と、誤った軌道を修正したい人々の、どちらの声が勝るかが注目されます。

――トランプ氏再選の可能性はありますか。

トランプ氏の平均支持率はおおむね40%台前半で、低水準ながらも安定的に推移しています。共和党員に限れば、80~90%を維持しているのが実情です。経済格差の拡大に苦しむ低学歴の中間層や、人種構成の変化にいら立つ白人の多くは、トランプ氏をまだ見限っていません。戦後最長の10年間を超えた米国の景気回復のほか、保守派の連邦最高裁判事2人の起用などを評価しているのです。

ただ乱暴な政権運営を嫌う無党派層のトランプ離れがみられるのも確かです。ウクライナに対する軍事支援の見返りに、民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領(77)と息子のスキャンダルを調査するよう迫った疑いが持たれており、今後の選挙戦に影を落とす恐れもあります。再選の可能性は五分五分と言わざるを得ません。

――民主党ではどの候補者に勢いがありますか。

20年2月に始まる候補者選びに向け、中道派と左派がしのぎを削っています。平均支持率で先頭を走る中道派のバイデン氏は経験豊富な政策通で、バランスのとれた政策に持ち味があります。無党派層にも受け入れられやすく、トランプ氏を確実に倒せる候補者として期待されているのです。ただウクライナがらみの疑惑に失言癖なども重なって、伸び悩んでいるのは否めません。中道派ではインディアナ州サウスベンド市長のピート・ブティジェッジ氏(37)も注目されています。

バイデン氏を追い上げるのが左派の候補者です。なかでも学者出身のエリザベス・ウォーレン上院議員(70)が好位置につけています。富裕層や大企業の税負担を大幅に引き上げ、中間層の生活に資する国民皆保険や公立大学の無償化を実現したいと訴えてきました。巨大なハイテク企業の分割や金融規制の強化も唱えています。「民主社会主義者」を自任するバーニー・サンダース上院議員(78)も人気がありますが、健康不安を抱えているのが難点です。